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強烈な日差しに、容赦ない熱気。それらとの真っ向勝負になる夏のランニングで必携アイテムになるのが、ランニングキャップです。
発売中のランナーズ9月号では、最新機能を備えたランニングキャップを特集。キャップをかぶるメリットと活用法について、暑さ対策について研究している吉塚一典先生(鹿屋体育大学)に聞きました。
キャップをかぶる最大の利点は、直射日光を避ける「遮熱効果」です 。夏の屋外運動では、日差しを浴びることで頭部に熱が蓄積しますが、キャップをかぶることでそれを軽減できます 。
加えて、冷水や氷を頭部にかぶれば、気化熱による冷却で体温の上昇を抑えられます 。これらを踏まえたキャップの活用法としては、ランニング中は時々キャップを外して水をかけたり、頭部に風を当てたりすることで、遮熱と冷却を両立できています 。私たちの実験でも、冷水や氷を使って頭部を冷却すると深部体温の上昇を抑えられることが確認されています 。
実際に2021年東京オリンピックのマラソンでは、多くの選手がキャップに氷を入れて走る姿が見られました 。特に氷を使う時はキャップがあると水を長時間保持できるので大きなアドバンテージとなります 。ランニングのように風を切って走る運動では、風が頭部に当たること自体が放熱の手段になります 。
最近では通気性や速乾性に優れたキャップが増えており、こうした機能を備えたキャップであれば頭部に冷却感や快適性が期待できます 。より風をうまく取り込める形状のものもあります 。
海外では「氷を詰めた冷却キャップを装着して頭部を冷やすと、暑熱環境での持久走パフォーマンスが向上するか」を調査した論文が発表されています。
実験は気温32℃の中でトライアスリート10名(男性6名、女性4名)が5kmタイムトライアルを実施 。冷却キャップの有無でタイムを比較するもので、キャップありの平均が19分35秒で、キャップなし(平均19分49秒)と比べて約14秒(1.2%)速いという結果でした 。
深部体温には変化がありませんでしたが、額周辺の温度が1.6℃下がっていることから、冷却キャップを使用することで「頭部の冷却による脳への熱ストレス軽減や、心理的な快適感の改善」がタイムに影響していると研究では推察されています 。
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では、どんなキャップをかぶればいいのか?発売中のランナーズ9月号では、かぶるだけで涼しさを感じる、頭部の熱を逃がしやすい特殊構造など、進化著しい最新機能のランニングキャップを紹介しています。まだまだ続くこの夏の相棒探しに、ぜひお手に取ってみてください。
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