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いよいよフルマラソンのシーズンが近づき、走り込みの真っただ中というランナーも多いのではないかと思います。現在発売中のランナーズ11月号では10月の走り込み「オクトーバー・ラン&ウォーク」を大特集。その中で研究者やコーチの方々に走り込み期の疑問について回答していただきました。一部を抜粋して紹介します。
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Q. | そもそも走り込むとどんな効果があるのでしょうか? |
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A. | 「走行距離の増加によってもたらされる効果は『ミトコンドリアの増加』『毛細血管密度の増加』といったものがあります。これによって脂肪をエネルギーにしやすくなったり、酸素を筋肉に送り込みやすくなります。その結果、フルマラソンのような長い距離でも身体を速い速度で動かし続けられる(=速くなる)と考えられます。よく言われる『脚づくり』も脚を長時間動かし続けられるという点から、この2つの効果が合わさったものだと思います」(岩山) 「着地を繰り返すことで『脚力向上』(着地衝撃に強くなり推進力も得られる)、走る時間が長くなることによる『体幹力向上』(長時間姿勢が維持できるようになる)、長い距離や高頻度で走ることによって『心持久力向上』(集中力が長時間続くようになる)など、フルマラソンの走力アップにつながる様々なことが鍛えられます」(柳) |
Q. | 走り込む距離の目安はありますか? |
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A. | 「走り込みに慣れていない人は1回あたり1~2kmだけ増やすのがお勧めです。普段10kmジョギングしている人であれば、11~12kmにします。これが14kmぐらいに増やすと走り出す時に『いつもと違う』構えてしまいますが、1~2km増であればいつもと同じ気分で走り出せるので、頭や身体を『特別に頑張ってはいない』とだまして走れます。トータルでの目標距離を決めたい方は普段より10%増を目安にするといいと思います」(柳) 【上級者向け】「10月に走り込むという前提で、12月、1月に目標のフルマラソンがある人は普段の1.5倍走ってほしいと思います(11月に目標のフルマラソンがある人は3割増し)。いつも200kmの人なら300km。普段1回30~40分のジョグを、がんばって1回60分走るようにすれば300kmは可能です。目標タイム別には、私はサブフォーで250km、サブ3.5で300kmが目安になると考えます」(弓削田) |
Q. | 走る時間は10~15分だけでも効果はありますか? |
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A. | 「絶対効果はあります。1kmでも2kmでも時間を見つけて走ることが大事。たとえば昼休み、着替える時間がない人はウォークでもいい。私はよく背中にタオルを入れて走ります。そうすれば軽く汗をかいてもタオルを抜くだけでいいので着替え時間の節約になります。メンタルの面でも、『1kmでも2kmでも距離を増やそう』という気持ちは、フルの最後の踏ん張りに必ず効いてきます」(弓削田) 「先ほど述べたような走り込みによるミトコンドリア増加や毛細血管密度の増加といった効果は『総運動量増加』によるところが大きいので、10~15分でも走らないよりは当然効果があります」(岩山) |
Q. | 走り込み期は睡眠時間も増やすべきですか? |
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A. | 「睡眠時間は1日単位ではなく、1週間や1カ月単位で考えましょう。数分でも早寝を心がけて累積睡眠量を増やすことが大切です(1日15分の早寝を継続すれば1カ月で7.5時間増)。交感神経が優位のまま眠っても疲れは取れないので、夜は副交感神経を高めてあげることが大切です。具体的には『就寝1時間前には入浴を終える』『入浴は浴室の明かりを消して脱衣所の明かりで入り、直接光を浴びないようにする『暗い部屋でストレッチ』『深呼吸』などが有効です」(西谷) 「走る時間を含め、1日の過ごし方を見直す機会になると考えてはいかがでしょうか。毎日は無理でも、身体を回復させるために長距離のドカ走りをした日は早めに就寝するようにしましょう」(森川) |
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回答者:
岩山海渡先生(天理大学准教授)、弓削田眞理子コーチ(65歳以上女子マラソン世界記録保持者)、柳秀雄コーチ(サブスリー鍼灸師)、森川優コーチ(柔道整復師・トレーナー)、西谷綾子コーチ(タレント・睡眠改善インストラクター)
ランナーズ11月号ではこの他にも「ペースはどうするべきか」「走り込み期の栄養」「痛みが出た時は?」といった点について解説。今後レースが控えるランナーの皆さん、ぜひご覧ください。
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