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「全日本マラソンランキング」に関する様々なデータを取り上げるこの企画。今回は「マラソン好きな世代」は何歳かを、データをもとに考察していきます。
まずは全日本マラソンランキング(2022年度)の年齢別フルマラソン完走者数を調べてみました。1番人数が多かったのは、男女ともに50歳。生年だと1971~73年(※1)にあたり、男性7,803人、女性2,004人でした。
では、この世代が「マラソン好きな世代」なのでしょうか?50歳がマラソンを走りやすい年齢であり、たまたまこの年に50歳だったのが1971~73年生まれだったとも考えられます。そこで、10年前の2012年度の全日本マラソンランキングのデータで、40歳(2022年度の50歳)の完走者数を調べてみました。男性が7,378人で最多、女性が1980人で2番目に多いという結果でした。1971~73年生まれの方が、他の世代と比べてランナー人口が多いのは間違いなさそうです。
ただし、日本の人口分布上、1971~73年生まれはもともと人口が多い世代であり、人数ベースで見るとある意味当然の結果でもあります。この世代間の人数差による影響を排除し、本当に「マラソン好き」なのかを調べるために算出したのが「年齢別マラソン完走率」です。これは全日本マラソンランキングの年齢別完走者数を、その年齢の全人口(※2)で割った数値。この値が0.1%なら、人口1,000人あたり1人がフルマラソンを完走した計算になります。下記は男女の50歳の年齢別マラソン完走率と、その数値を年齢ごとに比較してつけた順位です。
■男性50歳 1位(0.775%)
■女性50歳 1位(0.204%)
ここでも50歳が1位でした。平均値は男性0.413%、女性0.096%ですから、男女ともに2倍近い値となっています。
なぜ1971~73年生まれはこんなにもマラソンが好きなのでしょうか。この世代が多感な小学生~高校生の頃、マラソン界では宗兄弟、瀬古俊彦、中山竹通らが世界を相手に大活躍していました。少し健康が気になり始める34~36歳のときには東京マラソンが始まっています。また、女性ランニングブームの立役者・長谷川理恵さん、シドニー五輪金メダリストの高橋尚子さんは同世代です。こうした社会的な背景も、少なからず影響を与えたと考えられます。
世間一般では「団塊ジュニア世代」といわれている1971~73年生まれの方々。ランニング界では「マラソン大好き世代」と命名してもよいのではないでしょうか。
※1 全日本マラソンランキングの年齢は完走した日の年齢が適用されます。そのため2022年度は、1971年4月2日~1973年3月31日生まれの方まで50歳と判定される可能性があります。
※2 総務省統計局が発表している2022年10月1日現在の人口推計参照
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