ランナーズonline

世界記録はネガティブスプリット! 専門家が考察するフルマラソンのペース戦略

2023年12月28日
世界記録保持者のケルヴィン・キプタム選手 ©Bank of America Chicago Marathon/Kevin Morris.
世界記録保持者のケルヴィン・キプタム選手 ©Bank of America Chicago Marathon/Kevin Morris.

2023年はフルマラソンの世界記録が男女ともに更新されました。そこで共通していたのが、ペース配分はいずれも後半のほうが速い「ネガティブスプリット」だったことです。そこで、フルマラソンの理想のペース配分はどういうものか、専門家に話を聞きました。


「世界記録がネガティブスプリットになっているのはあくまで『結果』。どんなレベルのランナーでも最大限力を発揮しようとしたら、イーブンペースで走るのが望ましいことに変わりはないと思います
桜美林大学・山本正彦教授
「最も避けなくてはいけないのが、前半を目標のタイムよりも速く走ってしまうこと。つい目標ペースより速く走って『貯金しよう』と考えてしまう人が多いのですが、これは失速の危険が高まります。イーブンペースを守ることを基本に、むしろ世界記録保持者たちのようにネガティブ(後半型)でもいいかな、というぐらいの余裕を持って走るべきです
筑波大学・鍋倉賢治教授
サブフォーを目指すのであれば、キロ平均は5分41秒です。でも、『最初はキロ6分かかってもいい、後半にかけて上げていこう』ぐらいのゆとりを持って走り出してほしいですね。フルマラソンは長いので、前半から頑張りすぎると脳も身体も最後まで持ちません。脳の力を生かすために、時にはネガティブスプリットを狙ってみることもありだと考えています」
プロコーチ・川越学さん


ランナーズ2月号では上記の3人にミズノランニングクラブで35年間ペースアドバイザーを務めてきた福澤潔さんを加え、専門家の解説を基にフルマラソンのペース戦略を科学的に検証しています。



※こちらから記事検索ができます。

ランナーズ9月号 7月22日発売!


短期連載「100日間でサブフォー達成!」

8月1日から100日後は11月9日――全国各地で秋のフルマラソンが開催されます。いま、サブフォーを目指して準備を始めるには絶好のタイミング。本企画では、ランナーズでお馴染みの猪瀬祐輔コーチ監修のもと、「サブフォー達成を目指す100日トレーニングプログラム」を紹介します。100日後、笑顔でゴールを駆け抜けませんか?


偉業! 昨年度の達成者は80人
60代サブスリーを諦めない

2024年度全日本マラソンランキングでサブスリーランナーは過去最多の1万2339人、その中で60代は男女合わせてわずか80人。
偉業を成し遂げたランナーが語る「60代サブスリー達成の秘訣」「若者へのアドバイス」とは? 60代サブスリーを目指す人はもちろん、年齢を重ねても速くなりたい全てのランナー必読の内容です。

「苦しみの先にある栄光」

6月29日に第40回サロマ湖100kmウルトラマラソンが開催され、昨年に続き30℃を超える過酷な条件の中、1,952人が完走(完走率58.4%)。フィニッシュ時のランナーの表情やコメントは、ほぼ全員が充実感にあふれていました。
40年間で37回連続完走(コロナ禍で3回中止)の越智利国さんの手記、古くから大会運営に携わる2人の町長が振り返るサロマの40年を、ランナーの表情と共にお届けします。



本誌購入は年会費7,800円「ランナーズ+メンバーズ」がお勧め!

「ランナーズ+メンバーズ」は毎月最新号が自宅に届く(定期購読)だけでなく、「デジタルで最新号&2011年1月号以降が読み放題」「TATTAサタデーランが年間走り放題」「会員限定動画&コラム閲覧可」のサブスクリプションサービス! 年会費7,800円の超お得なプランです。



※こちらから記事検索ができます。

「ランナーズonline」 一覧に戻る