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編集長・黒崎悠が綴るマラガで思い出した「本気ならアシックス」

2022年5月20日

4月24日(日)にアシックスがスペイン・マラガで開催した「META: Time: Trials(メタタイムトライアル※)」は、世界各国のアスリート73人が同社の新厚底シューズ「METASPEED+(メタスピードプラス)」をはいて出走。現地を取材した本誌編集長の黒崎が、マラガで見たもの、感じたことを綴ります。


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中学1年で始めた陸上競技者生活、少なくともレースは全てアシックスをはいてきた。多くのチームメイトやライバルも同社のシューズを愛用していた。大学4年時に箱根駅伝(2007年)を走った時は、その翌月に控えた第1回東京マラソンカラーのシューズをはいて学生ランナーとしての引退レースを終えた。そんな身としては衝撃的だった。昨年の箱根駅伝で同社のシューズを選んだ選手がひとりもいなかったことは――。

その2カ月後に動きがあった。カーボンプレート入り厚底シューズ「メタスピード(メタスピード+の前作)」が発表され、同時期に開催されたびわ湖マラソンでは同シューズをはいた川内優輝選手が8年ぶりに自己ベストを更新したのだ。
これは本誌定期購読者でもある廣田康人社長への取材でお聞きしたことだが、「メタスピード」は社長直下のCプロジェクトとして開発された。その一環としてケニアや米マンモスレイクにトップ選手を育成するキャンプを作ったことも。昨年末には「暖かい季節のマンモスレイクは走るのに気持ちよいので、コロナがひと段落したら、市民ランナーを対象にしたツアーを企画しませんか」とお誘いいただいた。

マンモスレイクの前にお邪魔したのが今回のスペイン・マラガだ。日本からの直行便はなく、イスタンブールを経由してほぼ丸1日かけて当地へ向かった。
マラガでの最初のイベントは「メタスピード+」のプレゼンテーションや試履きが行われた「アシックススピードラボ」だった。ここで新作「メタスピード+」は、前作と比較して重量は少し増したものの、カーボンプレートを配置する位置を変更したり、ソールのフォーム材の使用量を増やしたことで「反発性アップ」「足の動きをより効率的に」といった”1秒でも速くなるために”必要な機能が高まったことが分かった。
その説明をしてくれた社員の方々の生き生きとした表情も印象的だった。大学時代からカーボンの研究をしていたというアシックススポーツ工学研究所の谷口憲彦さんは「できることはまだまだあります」と語り、「メタスピード+のことを深く知ってもらいたいので、何か疑問があれば帰国後でも連絡をください」という若手メンバーもいた。 各国から集まったアシックスフロントランナーはSNSで影響力を持つランナー集団だ。彼ら彼女らと行ったモーニングランは(SNSで発信するために)とにかく撮影だらけ。
その様子は多くのSNSや動画サイトにあげられていた。レース後、男子ハーフマラソンの部を59分54秒の自己ベストで制したモロッコのモハメド・レド・エルアラバイ選手は「ここまでスピードが出るシューズだと思わなかった!」と興奮気味に話してくれた。
今回の出張で思い出したのは、「本気ならアシックス」という過去のキャッチコピーだった。「本気を出したアシックス」とも言えるかもしれないが。


METASPEED SKY+(ストライド型)

【機能】
ストライド型のランナーが、よりストライドを伸ばすことを追求。前作よりもカーボンプレートをフラットな形状とし、ミッドソール内の上部に配置。また、クッションフォーム材「FF BLAST TURBO」を4%増量。これによりプレート全体でフォーム材を圧縮させることで着地後に生じる”反発”がより大きく生み出される。

【製品情報】
・ソールの厚み 34-39mm
・かかととつま先の高低差 5mm
・ミッドソール 28-33mm
・アウターソール 1.5mm
・推定重量(27.0cm) 約205g
・価格 27,500円(税込)


METASPEED EDGE+(ピッチ型)

【機能】
ピッチ型のランナーが、ピッチを調整しながらストライドを伸ばすことを追求。前作と比較し、カーボンプレートの形状をスプーン状としミッドソール内のつま先に向かって下がるような傾斜がついている。地面をける際に、フォーム材を足の前足部へ局所的に圧縮させることで大きな”反発”が得られ、効率的な足運びをサポートする。

【製品情報】
・ソールの厚み 31-39mm
・かかととつま先の高低差 8mm
・ミッドソール 25-33mm
・アウターソール 1.5mm
・推定重量(27.0cm) 約210g
・価格 27,500円(税込)



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