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5月20日発売のランナーズ7月号の表紙モデルは3月の東京マラソンで夫婦合計タイムのギネス記録を更新(計4時間26分30秒)した鈴木健吾選手と一山麻緒選手の世界最速夫婦です。
本誌では「結婚前と結婚後の競技生活」について語り合っていただきました。
―― 改めてご結婚おめでとうございます。3月にはお二人とも東京マラソンで日本人トップの戦績を残されましたが、どのような面でお互いの存在がプラスになっていると感じますか?
鈴木 一番は競技者としての気持ちを分かってくれることです。トップレベルで競技をやっているとプレッシャーもありますし、例えば練習が設定ペースでいけなくて気分が落ち込むことがあります。そういった話はこれまで家族にもできなかったのですが、彼女は聞いてくれて共感してくれます。今回の東京マラソンの直前も調子が良くなかったのですが、2人で同じレースに出て世界選手権の代表を目指そうという気持ちだったので、目標をぶらさずにやってこれたと思います。
一山 まだ結婚前の話ですが、昨年東京オリンピックに向けて長野県で長期間の合宿をしている最中、精神的にきつくなってしまったことがあるんです。その時に(鈴木選手が)夏休みだったので合宿地に来てくれて、一緒に走ってくれたのですごく助かって、オリンピックまで気持ちを切らさずに過ごすことができました。
鈴木 休暇中、特別予定がなかったですし、涼しい場所で走れる環境もあるので良いかなと。ロング走やスピード練習も一緒に走りました。
一山 トレーニングを引っ張ってくれたのですが、リズムがいいので走りやすかったです。
―― 一緒に暮らし始めてから、お互いの競技者としての新たな面が見えましたか?
鈴木 (一山選手は)栄養面など練習以外のこともすごく気を使っていると感じます。一緒に住むようになったのは東京マラソンが終わってからで、今は食事も彼女が作ってくれるのですが、栄養バランスを考えてくれて助かっています。結婚前まで寮で出された食事を食べるだけで休みの日は適当に、という感じだったので(笑)。
一山 彼は暇さえあれば何かしらしていますね。ストレッチとか筋トレとか。
鈴木 そんなにやっている?
一山 無意識なの(笑)? 筋トレの器具なども新しいものを見つけると早速試したりしていて、すごくいろいろなことに興味津々なんだなと感じます。
―― 今後は7月の世界選手権(米・オレゴン)まで国内外で一緒に合宿をするそうですね。
鈴木 はい。普段の生活を崩したくないですし、目指す試合が同じなので一緒にやっていけたらいいかなと思います。
一山 彼は意識が高いので刺激をもらえますし、一緒にいた方が自分のためにもなるのかなと思っています。
―― 一山さんは結婚後に料理をするようになったとのことです。ご自身の練習もありますが、負担ではないですか?
一山 (京都にいた)ワコールの時は一度も料理をしたことがなかったんです。今は朝練して朝食をパッとつくって、昼も練習が終わったらパパッとつくって、夕食は軽くという感じで生活しています。もちろん自分で料理をしない方が楽なんですけど、海外の選手は自分のことは自分でするのが当たり前ですよね。
それも競技力につながっているのではないかと考え、この道を選びました。
―― 競技力につながるというのはどういった点ですか?
一山 自分で料理をすることで栄養面を考えるなど知識が増えるので、身体づくりに活きます。楽な道を選ぶよりもちょっとキツい方を選んで、それを競技につなげたいという気持ちもあります。
ここから先は5月20日発売のランナーズ7月号をご覧ください。
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鈴木健吾選手
富士通所属。宇和島東高校(愛媛)から神奈川大学に進み、3年時の箱根駅伝で2区区間賞を獲得。4年時にはユニバーシアードハーフマラソン銅メダル。社会人2年目(2019年)にマラソングランドチャンピオンシップで7位。2021年のびわ湖マラソンで2時間4分56秒の日本新記録を樹立し、今年の東京マラソンでは2時間5分28秒。1995年生まれ。
一山麻緒選手
資生堂所属。出水中央高校(鹿児島)では1500m、3000mでインターハイ出場。卒業後にワコールに進み、2019年のマラソングランドチャンピオンシップ6位。翌年の名古屋ウィメンズマラソンを2時間20分29秒で優勝して東京五輪の切符をつかむと、本戦では8位入賞(2時間30分13秒)。今年の東京マラソンでは2時間21分2秒。1997年生まれ。
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