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3月6日(日)の東京マラソンは、感染症対策の徹底により一般ランナーも含めた開催に向けて準備を進めることが発表されていますが、出走予定の皆さん、レースに向けて準備は万全ですか? 久々のレースで「本番直前の過ごし方を忘れてしまった」という方のために、岩本能史コーチが推奨する「フルマラソン直前対策」を再度ご紹介します(2012年3月号の内容を一部編集して掲載します)。
1時間立ちっぱなしの状態でいると脚が棒のようになる、長時間歩いていると脚が重くなる、という経験をしたことはありませんか?
私は、レース前日や当日の移動を極力避けるようにしています。移動が不可避な場合は、簡易型のコンパクトな折りたたみイスを持参。電車の中や行列の待ち時間のときなどはこれに座り、なるべく立位状態を作らないよう気を配ります。
その理由は、自重負荷が下半身に集中することで起こる疲労や、立位静止状態で老廃物や疲労物質の循環、排出が妨げられるのを防ぐためです。つまり、走らなくても立ったり、歩いたりするだけで知らず知らずのうちに脚は疲労しているのです。レース前日は脚力や体力の温存が第一。「立たず、歩かず、走らず」が基本です。
レース前夜のランナーに大切なのは、カーボローディングよりもウォーターローディングと言っても過言ではありません。レース中に脱水状態に陥ると血液量が減ってしまい、少量の血液を利用するために普段よりも心拍数が上昇してしまいます。そのため、練習どおりのペースでもキツく感じたり、最悪の場合、熱中症などの危険もあります。
そこで活用したいのが経口補水液。ウォーターローディングは、ただ水を飲めばいいという量だけの問題ではありません。問題はナトリウムやミネラルなどの電解質濃度。水だけでは濃度が薄まってしまうので、電解質と糖質をバランスよく配合した経口補水液が効率良いウォーターローディングを可能にします。さらに電解質濃度を一定に保てば、余分な水分を排出せずに済み、結果的に排尿回数も抑制できるはずです。
レース当日、私はスタート3時間前に朝食をとり、それからスタートまでに、お餅を7個食べます。フルマラソンでのエネルギー切れを防ぐのが目的ですが、「レース中に胃を完全に空にしない」のも重要だからです。胃が空になり空腹感を覚えると脳が運動を制御すると感じているからです。
これらの理由から、「スタート3時間前に食事を済ます」の定説ではなく「予想ゴールタイムから5時間前まで糖質をとり続ける」ことでエネルギー切れと空腹感を防ぐことをおすすめします。消化吸収がおだやかなお餅はマラソンのエネルギー源に向いています。私は、個別包装されている切り餅をホテルのポットなどのお湯に袋のまま入れて柔らかくして食べています。
いわもと・のぶみ
club MY☆STARランニングチーム代表。元24時間走日本代表。峠走など独自のトレーニング理論を展開する。
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