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2020年に新型コロナウイルスが発生、大会が中止になる中で生まれたのが「オンライン大会」であり、話題を集めたのが「お絵描きラン」でした。1年前の本誌では「プロGPSランナーがいた!(志水直樹さん)」という特集も組んでいました。GPSウォッチがなければコロナ禍のランニング界はどうなっていたでしょうか。
現在発売中のランナーズ3月号ではGPSウォッチの歴史を紹介しています。ここではその一部を公開します。GPSウォッチが日本で発売されたのは2004年。ランネットショップ通販のカタログに「GPSウォッチ愛用者」として初期の広告に登場したスパルタスロン王者大滝雅之さん(57歳・医師)に当時を振り返ってもらいました。
知人から勧められたことがキッカケでGPSウォッチを使い始めました。当時も今も私は通勤ランや多摩川河川敷ランをしているのですが、「今のペースは大体キロ5分くらいかな」などと予想した後に時計を見て、実際のペースとの差を確認するのが楽しくて、「今日は予想以上にペースが遅いから疲労が溜まっているかもしれない」などという気づきになっていました。
そうこうしているうちに1kmペースを上げてみたらどれくらいのタイムになるかな? という気持ちが湧いてきて、多摩川河川敷での1km×3本のインターバル走を始めました。また、(GPSウォッチを使い始めてからは)どこの道を走っても距離が正確に分かることから、「いつもと違うコースを走ってみたい」という気持ちにもなって、練習コースのバリエーションが増えました。あとは「その大きな時計は何?」「私も使ってみたい」と職場で言われることがありましたね。
初期はとにかくサイズが大きかったです。実はそれ自体は気にならなかったのですが、今と違って走り始める前にGPSを捕捉するまでにすごく時間がかかって「早くスタートしたい」と気が焦ることがありました。また、(当時は)電池が切れるまでの時間が短かったので、ウルトラマラソンでは(電池が)ゴールまで持ちませんでした。だから私にとってGPSウォッチは練習専用のパートナー。この時からのトレーニングの広がりが、加齢とともに生じるスピードの低下に抗うことにつながっていると思っています。
おおたき・まさゆき
東京都三鷹市の天神クリニックに勤務する内科医。2000年のスパルタスロン(ギリシャ)を24時間1分10秒で日本人初優勝。48時間走現アジア記録保持者(426.448km)
ランナーズ3月号ではGPSウォッチがランニング界に与えた影響を、歴史を振り返りながら検証しています。
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