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70歳年齢別マラソンランキング1位は毎週LSD生活で速くなった?!

2021年12月03日
奥山さんが週1回のペースで通う奥武蔵グリーンラインの刈場坂峠にて
奥山さんが週1回のペースで通う奥武蔵グリーンラインの刈場坂峠にて

46歳から走り始め、2020年度70歳年齢別マラソンランキング1位の奥山吉秋さん(71)はLSD(キロ7~10分)中心のトレーニングで速くなり、自己ベストは59歳でだした2時間56分40秒。そんな奥山さんに対し、毎日の練習をキロ2分55秒~4分10秒のハイペースで走っている編集部の行場(自己ベスト2時間16分55秒・36歳)が疑問を投げかけました。


行場 今まで私が取材した高齢のスーパーランナーたちは、限界までスピードを上げる練習をしていました。運動生理学的にも「加齢するほどスピード走で筋肉に負荷をかけることが重要」と言われています。奥山さんも本当は本格的なスピード走を行っているのでは?

奥山 月1~2回、練習会で1km×6本のインターバル走を行うことがありますが、ペースはキロ4分20秒程度。全力でスピードを出すわけではありません。

行場 奥山さんにとってのキロ4分20秒は、フルマラソンのレースペースとほとんど同じですね。たしかにそれで「本格的なスピード練習を行っている」とは言えません。

奥山 このトレーニングスタイルは、46歳の時に走り始めてから全く変わっていません。それでも52歳の時に初サブスリーをすることができました(2時間59分59秒)。今は週1回、アップダウンのある奥武蔵グリーンラインで3時間程度のLSDを行い、他の日はキロ8分の10kmジョギングや、視覚障がい者の伴走でゆっくり走るのが日課です。

行場 毎週必ず「3時間」走るとは……。それならスピード走を行ったほうが効率よく速くなれると思ってしまうのですが。

奥山 行場さんのように若くスピードを出せるランナーはそう思うかもしれませんね。しかし、私は100mを全力で走っても25秒かかるぐらい遅いです。だからレースも5kmや10kmの部に出たことがありません。その一方、ゆっくり長く走るのは景色を楽しめるし、息もハアハア言わない。それで速くなれるなんて素晴らしいじゃないですか。50代のころ、オクトーバーランで1000km以上走ったことがあります。私は距離をゆっくり積み上げるのが得意なんです。

行場 しかし、記録を狙っているなら全力で走ってタイムを上げて、「速くなった!」という達成感がほしくないですか?

奥山 そういった「達成感」はレースで味わえばいいと思っています。ガムシャラに走るとフォームが崩れて故障につながってしまう気もしています。


奥山さんがLSDの際に心がけていることとは? また天理大学の岩山海渡先生が奥山さんの強さを分析。LSD特集は1月号に掲載しています。

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