取材・文/酒井政人
筑波大学陸上競技部 弘山勉駅伝監督
今よりもストライドが伸びるフォームを身につけるにはどうすればいいのか。2020年に筑波大を箱根駅伝出場に導いた弘山勉駅伝監督に聞いた。弘山監督はフォームを研究し、「スポーツ推薦がほとんどいない筑波大が他の大学と戦えるのはフォーム改善でストライドを伸ばしているから」という。
ランニングの速度は『ストライド×ピッチ』で決まります。長距離を走るには上下動がなく、ピッチを刻む走りが経済的だと思っている人が多いようですが、実は逆です。ピッチを増やすと筋肉を動かす回数が増えてエネルギーを使うのです。反面、ストライドは技術で伸ばせます。ピッチを高めるのは個人によってある程度の上限がある反面、ストライドが伸びれば同じ速度で走った時にもピッチを減らすことで体力の消耗が抑えられ、疲れにくくなるのです。
理論上、ピッチが同じでストライドが5cm伸びれば、フルマラソン3時間台のランナーは6〜9分ほどのタイム短縮が可能になります。しかも、ストライド1cmを伸ばすのは難しくありません。少しの工夫で5cmくらいはすぐに変わります。ストライドを伸ばすポイントは「股関節」です。市民ランナーの多くは股関節を十分に使えておらず、ここに伸びしろがある印象です。「フォームが直せない」という方もいますが、それは骨格や関節の可動域に問題があるからで、今回紹介するトレーニングを実践すれば必ず改善できます。
今年4月の長野マラソンで優勝した西研人選手は筑波大OBで、大学時代にハーフを1時間1分46秒で走った時のストライドは187cm、ピッチは1分間で183歩でした。高校時代は5000m14分49秒がベストだったので、ピッチが同じならストライドを3cm伸ばして4倍以上の距離を走った計算です。生理学面だけでなく、技術面が改善した効果でしょう。皆さんもランニングフォームを改善してストライドを伸ばし、秋冬のフルマラソンで好記録を目指しましょう!
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両手を地面に着けて腕立て伏せの姿勢を取り、右脚を前に立てます。左脚は後ろに伸ばしたままで、背中、お尻、脚が一直線になるように姿勢を保ちます。繰り返して実施するうちに股関節の可動域が広がります(反対脚でも実施)。前後に反動をつけてもOK。背中、お尻、脚をできるだけ直線に。
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左右2歩ずつの片脚ケンケンを繰り返す。ひざを中心に跳ぶと腰が沈みやすいため、股関節、臀部(お尻)を意識して弾む。股関節を使って弾む。
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下り坂は高い重心を保ちやすいため、脚を上から下へおろして重心を乗り込ませていくイメージで走れる。その動きのまま平地を進むとリラックスして走る感覚も養われる。脚を真下におろして重心を乗せていく。
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ストライドが伸びるフォームは日常生活のちょっとした工夫でも身につけることができる。
一つは脚を前後に開いて腰を落とする「ランジ」。上半身のひねりを加えることで股関節だけでなく全身の連動性も養える。ランニング中の信号待ちなど隙間時間にお勧めだ。他には階段の「1段抜かし」も効果的。上る時にひざをできるだけ動かさず、お尻の力で身体を持ち上げるようにすると股関節を使うことができる。
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弘山監督の著書が発売中。
最適なランニングフォームを弘山監督が解説している著書『限界突破のランニングフォーム! 自分史上最速の走りを手に入れる』が今年3月にKADOKAWAから発売された。股関節の動かし方をはじめ、ランニング動作の改善に特化した内容で構成されている。価格は1760円(税込)。
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