※本記事は『ランナーズ2026年3月号』掲載内容になります。
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本誌過去50年の歩みを様々な切り口から振り返る連載。今回は、「マラソン1カ月前から速くなれるトレーニング」を紹介。「疲労抜き」から本番直前でも効果のある「走力強化トレーニング」まで、過去50年間のノウハウを厳選して掲載します。
本番1カ月前を切ってからでも高い走力向上効果が得られる強化トレーニングを紹介。
※詳細な方法は後ろページにまとめて掲載
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金哲彦さんがレース前1カ月を切ってから最後に行うトレーニングとして勧めたのが「1週間集中筋トレ」。
筋トレをすることによって成長ホルモンの分泌が促され身体が活性化されるので同じ練習をしている状態なら、筋トレをした方がより走りのパフォーマンスがアップする。1週間サイクルのメニューを3週こなせば身体は変わり、自然とスピードアップしていくという。練習量を多く積んできた人には最後に故障するのを予防する効果、うまく積めていなかった人には持っている力を発揮する効果もある。
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週末を利用して2日間で計31kmの距離を走り込む――、堤健至コーチが約10年前から本誌で繰り返し紹介しているのが「週末ドカ走り」。
フルマラソン後半では着地衝撃による筋ダメージと低エネルギー状態によって、本当の限界を迎える前に「これ以上頑張ると身体に危険が及ぶから、ペースを落とそう」という指令を脳が出してしまう。この指令を遅らせるためには、同様の状態を味わっておくことが必要だが、一度に長い距離を走って追い込むのが難しい人も。そこで堤コーチが考案したのがこの方法だ。(具体的なメニュー例は後半ページ)
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それまでフルマラソンの1週間前は疲労を抜いたり、レースペースで10km前後走ることが推奨されるのが一般的だったが、サブスリー研究者の髙山史徳さんが提唱する理論「フルマラソン1週間前には頑張る練習がお勧め」を紹介したのが、24年1月号「本番1週間前の猛トレーニング」。
髙山さんの研究ではフルマラソンの疲労は筋肉やホルモンなど全ての面で1週間でほぼ回復していたことから「(マラソンより負荷が低いので)多くのトレーニングは1週間あれば回復できる」と主張する。その上で、マラソン1週間前にキツいトレーニングをした方がいい理由として、「マラソン後半の失速は脚筋へのダメージが関係しており、事前に筋肉に強い負荷をかけておくことで耐性ができます。耐性は時間の経過で弱くなっていく一方、直前すぎるとダメージが残った状態で走ることになるので、両面を考慮すると、マラソン1週間前に行うのが有効です」
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フルマラソンに向けての最後の脚づくりとして岩本能史コーチが勧めるのが「レース1週間前のタイミングで行うダウンヒル走」。狙いはマラソン後半の失速要因、「呼吸は楽なのに脚が動かない」状態を防ぐことだ。
岩本コーチは「マラソンで最も大きな負荷がかかる前ももの筋肉にダメージ(刺激)を与えます。翌日や翌々日は筋肉痛になりますが、当日までに痛みは消失し、走り込みによってつくられた脚をさらに強くする効果が期待できます」
24年の本誌では「中高年になるほど筋肉が衰えるスピードが速くなるので、よりレース前の下り坂走が重要になる」として、40代以上のランナーへ1週間~5日前の最後の下り坂走を推奨している。
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金哲彦さんが、1990年代前半に世界を席巻していた中国の女子選手たちのトレーニングを参考に考案したのが「レース4日前のスクワット」。中国の選手たちは故障時にスクワットを2時間以上していたという。金さんはフルマラソンへの効果について「マラソン後半にフォームが崩れ、大腿の前側が張って走り続けられなくなったという経験を持つランナーは多いと思いますが、スクワットを行うことで、レース後半の脚の疲労感に短期間で対策できるのです。衝撃からくる筋肉痛ではないので回復も早く、レースの4日前に取り組んでも確実に大腿四頭筋の筋力アップが可能です」
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フルマラソンのレースに向けて、負荷の高いロング走を2週間前に行うことは様々なコーチ・指導者が推奨している。2009年に前河洋一先生(当時国際武道大学教授)は、「トレーニングがあまり順調ではなかった人も、最後の2週間を休養に当てることができれば、2週間前までは強化に取り組むことが可能です」とし、「トレーニングの総仕上げとして最後に行うメニュー」に25km走を勧めている。脚筋力強化と本番へのスタミナ養成ができるのと同時に、目標タイムに対して実際の走力が伴っているかどうかもチェックすることが可能だという。
1人でレースペースを維持するのがキツイ場合は「前半抑えて後半レースペースにビルドアップするのでもOK」。その他、練習状況によって表のトレーニング方法を推奨しており、いずれの場合も「悪いイメージを残さないように、本番のように集中して行い、後半失速してボロボロにならないように」としている。
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