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偉大な記録からほんわかストーリーまで 全日本マラソンランキングトピックス×18 ①

2026年5月01日

※本記事は『ランナーズ2026年7月号』掲載内容になります。

2時間30分2秒で女性41歳1位の永友優雅さん(右から2人目)は4児の母
2時間30分2秒で女性41歳1位の永友優雅さん(右から2人目)は4児の母

日本のフルマラソンに関する様々なデータを発表する「全日本マラソンランキング」。22回目の今回はランキングで誕生した記録やストーリーをピックアップ。

文/吉田誠一


写真/青山義幸
写真/青山義幸

宗猛さん越えの43歳は「過去の自分に腹が立っている」

田中真人さん(43歳1位・2時間15分3秒・東京)

今年の東京マラソンでは、男女で40代日本最高記録が誕生した(本誌調べ)。男性は宗猛さんの2時間15分32秒を抜く、2時間15分3秒で走り切った田中真人さん。自己流の単独トレーニングで記録を伸ばしてきた破天荒なランナーだ。


今年の東京マラソンは曾宮道さんが持っていた日本マスターズ記録M40(40~44歳)の2時間16分15秒より速く走りたいと思っていました。2時間15分台で走れたら最高だなと考えていたら、14分台がちらつくところまできたので驚きました。高校時代陸上部に所属していましたが不真面目なランナーでした。34歳の時に友人の誘いでランニングを再開し、初マラソンだった2019年静岡マラソンでは2時間36分台で走れました。それから本気になり、これまでのベストは24年東京マラソンの2時間17分28秒。まだ記録は伸ばせると思っています。普段の練習は早番、遅番、夜勤があるシフト制の勤務に応じて調整しています。2部練習で1日にトータル20~25㎞を走ります。

ポイント練習のメインは20~30㎞走で、レースペース前後で走ることが多く、極端にスピードを上げることはしません。月間走行距離は600~700㎞。24年のサロマ湖100㎞ウルトラマラソンの後、座骨神経痛で1年間、思うように走れなくなったのを機に、強度を下げて2部練習で距離を踏む現在のパターンにしました。

ずっと一人で走ってきたので、今は半ば意地になって練習は全て近所の田んぼの間などで単独でしています。仲間がいれば強度の高い練習がしやすいでしょうが、マラソンでは一人で走る時間帯ができます。僕は一人で練習しているので、そういうときに強い気持ちで走れます。

練習メニューは全て自己流。設定どおりにできなくても、そこでやめません。設定を落として、決めた距離、本数をきっちりこなします。耐えられるかどうか、瀬戸際の練習が好きです。キロ3分15秒でやろうとしたけれど、3分20秒が今日の瀬戸際だと感じたら、そこで頑張ります。全国の市民ランナーがライバルだと思っているので、ツラい時は「ここで負けるわけにはいかない」と思って、涙を流しながら走っています。風が強かったら、これはチャンスだ、この中で走ったらいい練習になると考えます。



高校の陸上部ではさぼってマージャンばかりしていました。なぜ高校時代をあんなふうに過ごしてしまったんだろうと、自分に腹が立ちます。でも、その後悔があるから、ストイックにできているのかもしれません。

現在は6月のサロマ湖だけを考えています。24年の80㎞手前でのリタイアが悔しくて、そのリベンジをしなくてはならないとずっと考えてきました。サロマ湖で結果が残せたら思い残すことはありません。頭にあるのは6時間の一桁台です。


東京マラソンを走る永友さん(中央)
東京マラソンを走る永友さん(中央)

4人の母は4時起きで走る「年齢による衰えは感じない」

永友優雅さん(41歳1位・2時間30 分2秒・東京)

東京マラソンで女性40代最高記録を出した永友優雅さんは、子ども4人を育てており、トレーニングは毎朝午前4時過ぎから、1人で行っている。


今年の東京マラソンのタイムが小㟢まりさんの記録を1秒上回る女子40歳代最速だというのは分かっていました。でも、目標にしていた2時間30分切りにわずかに及ばなかったので、しばらくは悔しさが残りました。全日本マラソンランキングの1位はもちろんうれしいですが、あまり気にしていません。私は全てにおいて、こだわりがないんです。

23年から実業団のメモリード(長崎県長崎市)に所属していますが、練習はチームと離れて自宅のある南島原市で行っています。月間走行距離は500~550㎞です。モットーは「楽しく走る」です。「きょうも楽しかった」と思える練習を重ねていれば結果がついてくると考えています。

トレーニングの 90 %は17~18 ㎞ジョグです。キロ4分30 秒で入って3分50秒くらいまで上げていき、最後の2~3㎞は3 分 30 秒。ジョグというよりペース走とかビルドアップ走に近いかもしれません。基本的にインターバルはしません。

今年の東京に向けて2カ月前から週に1度、30㎞走をこなしました。それが去 年(2時間30分 36 秒)との違い です。事前に30 ㎞走をやるとは決めず、いつものジョグの延長で「今日はもっといってみようか」という感じです。


知的障がい者を支援する仕事

ケガを避けるため、子どもと遊ぶときなど生活の中で無理な動きをしないよう注意しています。また、治療院の先生の教えで、時間があったら足の裏と指をケア。食事は野菜中心です。自分の料理が一番ですね。子どもが高校1年生から小学2年生まで4人いて、私自身も午前9時から12時と午後4時から6時まで知的障がい者の生活支援の仕事をしているので、昼間に時間が取れるとき以外は早朝ラン。午後10時半に寝て、午前4時過ぎに起きて走ります。家族が一番と考えていて、週末に子どものサッカーの試合があれば送り迎えや応援を欠かしません。その分、自分の参加大会が限定され、フルマラソンは年に2本です。そういう環境のもとで楽しみながら走れればいいと思っています。年齢による衰えは感じないので、2時間30分切りを目指します。





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