※本記事は『ランナーズ2026年2月号』掲載内容になります。
皇居近くで会社員として働く井上さん
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高校卒業後、入社した建設事業を展開する鉄建建設株式会社で60年間勤務。いまも同社で朝8時半から17時まで働き、市民ランナーとして走る。
文/市村まや 写真/小野口健太
24年度全日本マラソンランキング78歳1位の井上實さん(3時間29分41秒)は現役の会社員としていまも働く。
「朝は5時起床、平日は7時から会社周辺の皇居で5㎞ほど歩くのが日課です。帰宅後の18時半から12㎞前後のジョグを行い、月間250㎞程度走っています」
1946年、京都に生まれた井上さんは、高校時代に新幹線駅舎の建設工事現場を眺めながら電車通学をしていた。
「64年10月1日に東海道新幹線の東京~新大阪間が全線開通して新幹線が京都駅を通過する姿を見て感激してね。この工事を施工している会社で働きたいと思い、高校卒業後に上京(65年3月)して鉄建建設株式会社に入社しました。以来、現在まで60年間勤務しています」
高校時代にバレーボール部に所属していたが、就職してからは仕事一筋、運動は一切しなかった。
「高度経済成長期真っ只中で24時間仕事に追われるような状態で、運動どころではありませんでした。60歳を迎える頃には高血圧とメタボリックになり、健康診断で医師から『このままだと早死にしますよ』と言われジムに入会しました」
トレッドミルでウォーキングを始めたが、知り合いに誘われて2007年の所沢シティマラソンに初めて出場(ハーフ1時間51分34秒)。レース中、自分より年配のランナーや女性ランナーに次々と抜かされたが「こんなに多くの人が走れるのなら、自分ももっと走れる」と刺激を受けた。翌年は初マラソンでホノルルマラソンに出場し(4時間41分0秒)、ランニングにハマっていった。
いまは年10回程度フルマラソンを走る。フルマラソン100回目となった今年10月の久米島マラソンは3時間54分57秒で完走した。
79歳の井上さんは自身でも、「この年齢になって、なぜ故障もせずにこんなに走れるのか」と不思議に思い、放送大学でスポーツ医学や人体構造、食生活のあり方などの講義を受講、自分なりに研究したことがある。その結果導き出された答えは、『継続は力なり』。これに尽きると笑う。
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