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67歳で3年8カ月ぶりのサブスリー弓削田眞理子の “疲れ” が抜けた!④

2026年1月01日

弓削田さんの心的特性を、東京女子体育大学の丸尾祐矢准教授が分析した。

今回、2種類の測定によって心的分析を行ったところ、まずスポーツを行う際の動機づけの測定では、弓削田さんは「競技を理解したい」や「新しい刺激を経験したい」という動機づけが高いことがわかりました。マラソンについて探求したい、挑戦したいという気持ちが高く、それらの過程を楽しんでいるのではないかと考えられます。

次にストレスをはね返して適応を果たしていく心的特性の測定では、仲間からの心理サポート、競技的身体力、自己理解、競技的意欲・挑戦、競技的精神力について得点化できますが、弓削田さんはどの得点も非常に高いことがわかりました。特に競技的意欲・挑戦と競技的身体力の得点が満点に近かったです。マラソンにおいて、様々な練習を試したい、失敗したとき自分のどこが悪かったか考えるなど意欲的に取り組まれていることがうかがえます。
また身体的な苦痛や疲労に耐えられる、体調が悪い時でも練習を欠かさないなど、マラソンに必要不可欠な心身の強さを持ち合わせています。
弓削田さんの心的特性のすごさは、走ること自体が楽しい、マラソンを追求したいという内発的な動機づけの高さ、試合でも練習でも長くつづく困難な状況にめげることなく、粘り強く取り組むことのできるレジリエンスの高さと考えられます。

※参考文献
上野雄己,清水安夫.(2012).スポーツ競技者のレジリエンスに関する研究—大学生スポーツ競技者用心理的レジリエンス尺度の開発による検討—.スポーツ精神医学,9,68-85.杉山哲司.(2008).スポーツにおける動機づけの研究--SportMotivationScale(SMS)の妥当性,信頼性の再検討および目標志向性との関係.日本女子大学紀要,55,57-63.


写真/軍記ひろし
写真/軍記ひろし

身体能力を分析「筋力や代謝系機能の衰えをピーキングやペース配分でカバーしている」

弓削田さんの身体能力にはどんな特徴があるのか。12月下旬に持久的な能力を測定。その結果を元に、2019年12月にも弓削田さんの測定を行った桜美林大学の山本正彦先生が分析した。

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弓削田さんは21年1月の大阪国際で2時間52分13秒の自己ベストを出し、25年11月の神戸では2時間58分59秒。これは1年あたり約0.8%の低下にあたり、マスターズアスリートの記録低下率「年1~0.8%」のほぼ上限に位置し、理想的な推移といえます。
今回、6年ぶりに身体データを拝見し、記録低下を押しとどめてサブスリーできた要因は、本人が自覚している通り「疲労抜きなどによってコンディショニングがうまくいき、十分力を出し切った結果」ということができそうです。

個別にデータをみていくと、最大心拍数は159(拍/分)と、6年前の160からほぼ低下していません。今回最大酸素摂取量(vo2max)は前回と矛盾した値になってしまいましたが、最大心拍数が落ちていないことから、6年前(50.5ml)に近い値が維持できていると推測されます。これは60代後半でもインターバル走に取り組む、トレーニングの結果が表れています。
一方でマラソンペースの目安となるAT(無酸素性代謝閾値)はキロ4分17秒で、6年前のキロ4分0秒より7%低下しています。もしかすると、低体重であることから筋肉量が減り、筋の出量が低下するなど、避けられない加齢の影響があるのかもしれません。

こういった状況の中でも今回サブスリーできたのは、「ランニングエコノミーの改善」(月2回40km走を行うという走り込みや、上下動が少なくなるというフォームの変化による)、「ペース配分やピーキングの成果」(マラソンを繰り返し走ることでペース感覚を身につけたことや今回休養を取り入れてマラソン本番に調整したことによる)の成果でしょう。

特に後者に関して、今回の神戸マラソンのデータをみると、レース後半ではストライドが小さくなりながらもピッチを増加させることで、ペースが大きく低下するのを防いでいます。これはフルマラソンで「理想的な走り」ができた時の傾向。24年の神戸マラソンや25年の大阪国際女子マラソンなど、弓削田さんが後半失速してサブスリーできなかった時は、30km以降にピッチも低下していますから、今回はレース後半になっても疲労の影響が小さく、力を出し切れたことがわかります。
まとめると、60代後半になっても年間を通してスピード走などハードなトレーニングを積み重ねることで心肺機能を維持し、加齢によって筋力や代謝系の機能は衰えているものの、ピーキングやペース配分のうまさで今持っている力を出し切ったことがサブスリーにつながった、といえます。



まとめ

・ハードなトレーニングで心肺機能を維持
・筋力や代謝系の機能は衰えているが、ピーキングによる疲労抜きやペース配分の上達でカバーしている





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