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67歳で3年8カ月ぶりのサブスリー 弓削田眞理子の “疲れ” が抜けた!①

2026年1月01日

※本記事は『ランナーズ2026年3月号』掲載内容になります。


写真/軍記ひろし
写真/軍記ひろし


58歳で初サブスリーをし注目されてきた弓削田眞理子さんが、昨年11月16日の神戸マラソンで3年8カ月ぶりとなるサブスリーを達成(2時間58分59秒※)。67歳だ。この記録は「世界初の65歳以上女性サブスリー」。その要因は、蓄積された “疲労” が抜けたことにあった。
※ネットタイム


編集部が見た弓削田眞理子の5年間

弓削田さんが本誌に初めて登場したのは2017年、58歳で初めてサブスリーをしたときだ。以来、編集部は幾度も取材を行ってきた。その過程で見えた、3年8カ月ぶりサブスリーの要因。

62歳だった21年の大阪国際女子で2時間52分13秒をマーク。同年はその後も2時間52分台や54分台を出し、この頃の弓削田さんは、サブスリーはもはや当たり前というレベルにあったと言える。ケガ明けに走った翌年の名古屋ウィメンズも2時間58分。しかしこれ以降、25年11月の神戸まで3年8カ月、サブスリーから遠ざかることになった。


神戸マラソンを走る弓削田さん
神戸マラソンを走る弓削田さん

半年で3度の疲労骨折

22年、名古屋ウィメンズの後、オーバートレーニングによるケガを繰り返した。10月の水戸黄門漫遊では、レース中に痛みを発症し、ゴール後は歩くこともできない状態、疲労骨折だった。このとき付き添った夫の隆さん(75歳)はこう語る。

「ゴールした時、身体を支えながら『弱くなったな』と思いました。と同時に、痛くてもゴールして、なおかつ『弓削田さん、一緒に写真撮ってください』と言われたら、パッと笑顔を作る。あれを見た時に、彼女はそういう風な目で見られる存在になったんだ。応援しなくちゃいけない。と思いました」

水戸の1カ月後の11月末、地元の小江戸川越ハーフマラソンに招待されていた。「ゲストが走らないわけにいかない」と出走。途中で再び足に強い痛みが出るも、完走した。レース後、右足かかとの疲労骨折が判明した。
そのケガが癒えた翌23年。「自分の可能性に挑戦したい」と2月の姫路城、3月の東京、名古屋ウィメンズの3週連続フルマラソンにチャレンジ。
名古屋では、レース中に再び足に痛みが出た。後日、整形外科を受診すると、医師に無茶を叱責された。

「そこで初めて、ああ、私なんでまたやっちゃったんだろう、って思った。3回の疲労骨折でやっと、身体の声に素直に従って休みを入れること、追い込むことプラス、休むことの重要性が、わかった」


「見られる人」に

この年は、メディアでの露出や人前に立つ機会がますます増えた。NHK『ランスマ倶楽部』やテレビ朝日の『徹子の部屋』への出演。『ランナーズ賞』の受賞。各地で講演の依頼を受けることも多くなった。

23年の年末、一年を振り返り、このようにSNSに投稿している。
「今年は仕事以外にも多方面から呼ばれ、出歩いたり、人との出会いがあった。私は何か人に役立つらしい。もちろん、来年サブスリーを狙うけれど、私は生きている限り、必死で走り、周りの人に元気を配る人間になろうと思った。年代別世界記録がどうのとか、そんなんじゃない。世界一、人に元気を配る人間になりたい」

3度の疲労骨折を経て「痛みや違和感が出たら休む」ことを学び、以降、大きなケガはしなくなった。河川敷で開催されるフルマラソンや30kmレースのペーサーを担うようになり、「選手を叱咤激励してほしい」と乞われブラインドマラソン代表選手の強化合宿にも参加するようになった。活動の幅を広げながら、一緒に走ることで自身のトレーニングにもつなげた。

隆さんはこう言う。
「彼女の魅力は、やっぱり体育の教員。だから、常に “心・技・体” でぶつかっていくところ。監督のようにじっと座って『ダッシュしなさい』と指示するんじゃなくて、自分が率先してやる姿。だから、生徒も、市民ランナーの皆さんも、周りに集まってくるんだと思います。彼女はその人たちの応援を吸収して、自分のエネルギーにしている。そして自分の経験をアドバイスして、時には叱咤激励する。よく『本気になれ』と言っているでしょう。あまりに言い過ぎてもどうかなと思うけど、それが彼女の魅力でもある。それに、あの『本気』は、自分自身にも問いかけているんだと思う。こうやってランナーズに載って、雑誌を通して見られる喜びもすごいと思う。カッコ悪いことはできない。見られている喜びと、プレッシャー。それに応えようとする気持ちが、『本気になれ』の原点なのだと思う」






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