※本記事は『ランナーズ2026年5月号』掲載内容になります。
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2月22日の大阪マラソン、3月1日の東京マラソンで、サブスリーとサブフォーを達成したランナーたちに取材。それぞれの秘訣や日本の達成者との違いを紹介する。
写真/小野口健太、青山義幸、塩川真悟、©大阪マラソン2026、編集部
「やった~!」「I won!!」「I finally SUB3」「Great thanks!!!!」フィニッシュゲートの先には、多様な歓喜の声、拍手、握手、ハグ、そして涙。それぞれ背景は違っても、「サブスリー達成」という夢をかなえるために世界中からTOKYOへやってきたランナーたち。2時間59分59秒をともにさせていただいたペーサー※の視点からレポートします。
サブスリー集団は巨大でシリアスです。スタートエリア、私たち3人のペーサー周りには、国内外から3時間切りを狙ってきたランナーが大勢。「Net or Gun?(ネットかグロスか)」「Even pace?(イーブンで行くのか)」と質問を多数受けました。スタートロスは 50秒。1㎞ 通過は5分9秒でしたが、「10㎞までに回収しよう」と打ち合わせ、4分10秒前後で進みました。やはり気になるのか「今どれくらいのペース?」と英語で尋ねられることもしばしば。20㎞手前から前線を他の2人に任せ、私はやや後方から集団全体を見守りつつ、後方のランナーをリードしました。周囲には国内外のランナーがぴたりとくっつき、息遣いが聞こえます。
30㎞地点で約40秒の貯金を築き、 30㎞以降は暑さや疲労などの状況に合わせたペースや声かけでランナーの力を引き出します。「You are special pacer!」「Good job!」と声をかけてくれるランナーに、私自身も元気をもらいました。
ラスト1㎞の石畳は、サブスリーを確信して感極まるランナーや「1秒でも速く!」と力を振り絞るランナーたち。フィニッシュに向かう人々に最後の檄を飛ばし、私たちは2時間 59 分 59 秒でフィニッシュ。多くの達成者と歓喜の握手をしました。
ランナーの激走はもちろん、「SUB3!GO!」と沿道で叫ぶ外国人の応援から、"SUB3"は世界共通ワードであり、目標であることを感じました。達成した、チャレンジしたランナーの皆様に心から敬意と感謝を表したいです。ちなみに一緒にペーサーを務めたDylan Mort on(アメリカ)は、初めての東京、初めてのペーサーで6スターをコンプリートしました。 Congratulations ALL runner and Dylan !
※東京マラソンではペースセッターという
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マラソンで3時間を切る「サブスリー」は日本では完走者の約3%という狭き門で、ランナーにとっての憧れとなっているが、それは海外でも同様だ。
サブスリーをしたランナーは「Sub-3 Club」メンバーと呼ばれ、『Runner's World』などのメディアも専用トレーニングプランを掲載。中国では大会ごとにサブスリー達成者のみ受け取れるグッズも用意される。なお、イギリスのコミュニティサイト、その名も「Sub-3」によると、世界のランナーのサブスリー達成率は約4.48%。今回、ランナーズでは大阪マラソンと東京マラソンでサブスリーをした海外ランナー27人にインタビュー。世界のサブスリー達成法を紹介する。
インタビューした27人中、走行距離について回答したのは23人。平均は週106㎞で、月間走行距離に換算すると約450㎞だった。月300㎞以上走っているのが87%、400㎞以上は56.5%と6割近かった。本誌23年9月号「サブスリー達成の極意」で国内のサブスリーランナー180人にアンケートをとったところ、平均は337㎞だったので、海外のサブスリーランナーの方が多く走っていることになる(※インタビュー対象者が特に高い意欲を持っていた可能性もある)。そして、走行距離について語る時に「継続性」や「一貫性」をポイントとする人も多かった。
東京マラソンで2時間58分53秒だったLuis Enrique Casillasさん(45歳・フランス)は、「サブスリーに必要なのは一貫性と情熱。早起きや家族時間の犠牲を伴う準備で週110㎞走ってきた」。東京マラソンで2時間51分29秒だったKelsi Ann Chappellさん(37歳・アメリカ)は週130~145㎞走っているといい、「適切な走行距離、栄養、睡眠の組み合わせが大切。仕事や子どもがいると困難な時もあるけれど」
重視しているトレーニングではロング走(30㎞走、LSDなどを含む)が15人でダントツの1位(2位はスピード走の3人)。しかもただ一定ペースで走るのではなく、途中にマラソンペースで走る区間を組み込んだり、 後半ビルドアップして終えるなど変化をつけているケースが多かった。また、「サブスリーをしたいなら30㎞走5回はマスト」「毎週日曜日はロング走」と複数回実施している人や「東京に向けて35~40㎞まで延ばした」「39㎞走を実施した」というように、ほとんどの人が目的意識をもってハードなロング走を行っていた。
大阪マラソンで2時間53分56秒だったLE VIET TUAN HOANGさん(40歳・ベトナム)は、「サブスリーのために30~32㎞ロングランを実施している。最初の20㎞は楽に走り、あとの12㎞をマラソンペース、つまりサブスリーペースで走る。合計2時間20分以上走る。持久力を養うためにね」
「サブスリーに最も大切なことは?」という質問に対しては、リカバリー、走行距離、情熱の順に多かった。走行距離の項目でも「一貫性、継続」というコメントが多かったことを紹介したが、海外のランナーは「トレーニングと同じぐらい休むことが大切」と考えているようだ。
東京マラソンで2時間58分37秒だったRaul Reyes Mendez さん(32歳・メキシコ)は「サブスリーをするには、トレーニング中だけでなく、走っていない時に何をしているかも重要です」。大阪マラソンで2時間59分39秒だったMarc Orantes Bravoさん(35歳・スペイン)も「年間を通して常に良い食事、栄養、良い休息、良い睡眠をとることがサブスリーには必要です」
そして、これらの取り組みを続けるために"情熱"を持ち続けなければならないというのは、国内でも海外でも変わらない。「ハードにトレーニングするには回復と同じくらい情熱が必要です。そうでなければベストパフォーマンスは引き出せません」(Melissa Anne Paauweさん(41歳・カナダ・2時間43分57秒)
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