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RUNNET TRAIL

トレラン・レースリポート

  • Madarao Forest Trails 50km  斑尾高原トレイルランニングレース2019

開催日:2019年10月6日(日)
開催地:長野県(飯山市)
種目:
【50km】出走者:437人/完走者:387人/完走率:88.5%
【26km】出走者:177人/完走者:139人/完走率:78.5%

標高1000mの高原を縫う極上のトレッキングトレイル!

リポート/田村英幸さん

長野県飯山市と新潟県妙高市の中間に位置する斑尾高原を舞台に開催されるこのレース。標高1,000mの変化に富んだコースは全長50kmにも延び、3つの山頂と湖沼、そしてどこまでも続く森の中を駆け抜けることができ、私たちの五感を刺激してくれます。斑尾山(標高1,382m)、袴岳(標高1,135m)、毛無山(標高1,022m)の山頂を経由する間は、眺望の良い稜線やブナの森と湿原、希望湖など、目と心を奪われる見どころが数多くあります。そこには競うだけではないトレイルランニングの醍醐味が感じられ、再び足を運びたくなる魅力に溢れています。


ショートコース(26km)に出場する親子の姿も!
ショートコース(26km)に出場する親子の姿も!

トレランレース経験の無い私は、初めて出場する大会はこのレースにしようと決めていました。地元開催ということもあって知り合いも多く参加しますし、何より、変化に富んだ魅力的なコース設定と50kmという距離(累積標高2,570m)は、十分に挑戦し甲斐のあるレースだからです。


●斑尾高原トレイルランニングレース2019のコースマップはこちら
http://madarao.tv/forest-trails/map/index.php

田村さんの準備と装備
当日を迎えるにあたりコースを前半と後半に分けて数回試走。ロング走としては40kmを1度。あとはひたすら坂道走で脚を作ってきました。当日の天候は雨で少し肌寒かったので水分は500mlを1本(結局、飲まずにゴール)。補給食はエイドが充実しているのでエネルギージェルを5本(すべて補給)。その他、ミネラル補給用タブレット数錠とマイコップを装備。試走で実力以上に突っ込みすぎて中盤からバテバテになった経験を踏まえ、第1関門(23km地点)までは5割ほどの力で走る作戦で、目標タイムは7時間に設定しました。


序盤はゲレンデのゆるやかなアップダウンから

小雨模様の中、沿道のエールを受けてスタート!
小雨模様の中、沿道のエールを受けてスタート!

午前6時30分、斑尾高原スキー場のゲレンデベースに建つランドマーク「レストランハイジ」を一斉にスタート。しばらく同スキー場内の緩やかなアップダウンのゲレンデを走ります。ゲレンデ終盤の直登はキツいけど頑張って! この後は気持ちの良い下り基調のシングルトラック「ぐん平街道」が待っています。そのあとは「大池」と「七曲の池」の脇を通る平坦なダブルトラックへ。ビギナーの方は、この後ダラダラ上りの斑尾林道からの斑尾山の急登が待っているので、この区間が走りやすいからといって気持ちよくなりオーバーペースになるのは注意です。まだ我慢。


まずはゲレンデでエンジンをかけ、斑尾山頂へ
まずはゲレンデでエンジンをかけ、斑尾山頂へ

斑尾林道の終盤にある野尻湖を基軸とした三山(妙高、黒姫、飯綱)を望める絶景ポイントはガスで見えず、さらに進んだところからのフォトジェニックな大明神岳も本日はお預け、また来ればいいさ。斑尾山頂からの下り基調の美しい稜線はコースの中でも好きな箇所。空気が澄んでいれば頚城平野(くびきへいや)から日本海までも一望できます。ここからスキー場のゲレンデをつづら折れからのストレートに下り、第1関門(23km地点)の「レストランバンフ」へ。ここで脚に不安を感じると長い旅になりそう。旅はまだ半ば、お山はあとふたつ。


23km地点の第3エイド。笑顔のスタッフと特産のフルーツなどに元気をもらう
23km地点の第3エイド。笑顔のスタッフと特産のフルーツなどに元気をもらう

ここからの中央トレイル~西トレイル~万坂峠までは若干のアップダウンがあるものの、走れる区間。順位とタイムを狙う方は、走れはしれ! 途中に湿原もあるので、特有の優しさと静かな雰囲気も十分に味わってください。


木道や段々トレイルの変化も楽しい、極上のブナの森

万坂峠からは第2のお山の袴岳へ。本来であれば4回の上りと平坦を繰り返すこの区間ですが、レース当日は降雨のために山頂の約3kmがカットに。しかし名物のジグザグ木道も走らせてもらい、充実。


赤池近くのブナの森。フカフカのトレイルを楽しむ
赤池近くのブナの森。フカフカのトレイルを楽しむ
リズミカルに進みたい段々トレイル
リズミカルに進みたい段々トレイル

第4エイド、赤池からのトレイルは雰囲気が変わり、木の階段で整備された緩やかな上り下りの段々トレイル。雨天でも滑らず、走りやすい区間です。踏み幅が様々なのでリズミカルなステップを意識。約35km地点には左側に水の澄んだ小川が流れています。当日は雨でしたが一切濁っていない。せせらぎに耳を傾け、3つ目のお山、毛無山へ挑もう。あとは上って下るだけ。


赤池、希望湖のエイドで出された笹寿司
赤池、希望湖のエイドで出された笹寿司
毎年好評のシャインマスカット。完走へのエネルギーチャージ!
毎年好評のシャインマスカット。完走へのエネルギーチャージ!

3つ目の山、毛無山を越えてゴールを目指す

第2関門の希望湖(38km)を過ぎるとすぐに毛無山の上りが2km弱続きます。山頂からは本来飯山市ののどかな田園風景が一望できますが、ここも今日はガスで見えずじまい。しかし雨の日には雨の中を、霧の日には霧の中を。この瞬間の自然を楽しもう。

山頂を過ぎ2kmほど下ると、あとはほぼ平坦なシングルトラックが続きます。第5エイドを過ぎるとゴールまで残り7km。希望湖の優しい雰囲気を感じながらラストスパートへ!


ついにフィニッシュ! お疲れ様でした
ついにフィニッシュ! お疲れ様でした

トレイルを抜けペンションビレッジに入ると、遠くからゴールアナウンスが聞こえてきます。最後は再びスキー場のゲレンデ内へ戻り、100mほどの坂を下ってフィニッシュ。皆さんお疲れさまでした!


ゴールで選手を迎える大会プロデューサーの石川弘樹さん
ゴールで選手を迎える大会プロデューサーの石川弘樹さん
温かなふるまい汁(豚汁)が染み渡る
温かなふるまい汁(豚汁)が染み渡る

レースを振り返ると、中盤以降はソロで走る場面もありましたが、誘導員の皆さんと少しでも言葉を交わすと元気になれました。エイドの雰囲気も温かく、苦しさの中でも笑顔になれる瞬間が。皆さんのおかげでゴールすることができ、目標を上回るタイムを達成できました。ありがとうございました。


■この大会に次回参加したい方へのアドバイス

全体を通して走りやすいコースです。ビギナーの方はとにかく最初は抑えて、23km地点「レストランバンフ」まではウォーミングアップのつもりで。中級以上の方は、走りながら休める場所もあるので、走れるところはしっかり走って順位とタイムを狙って。いずれにしても、変化に富んだコース、景色も次々に様相を変える斑尾の醍醐味を五感で感じ、楽しんでいただきたいと思います。


写真提供:斑尾高原観光協会


リポート/田村英幸さん
  • リポート/田村英幸さん

新潟県妙高市在住。農業を営む43歳。学生時代は陸上長距離部に所属していたが社会人になってからはランニングとは疎遠に。2016年、信越五岳トレイルランニングレースのコース誘導ボランティアでトレイルランニングと出逢い、その魅力に強く魅かれランニングを再開。とにかく今は「より速く、より遠くへ」を目標に練習あるのみ。目指すは「雪国発の走れる農家」。



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