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減量したい時の適切な食事の取り方とは?(PART2)

2022年2月04日


味の素株式会社がアスリートの栄養環境を改善するために実施する栄養プログラム「勝ち飯®」。この連載ではランナーが知っておくべきバランスのとれた食事の重要性やメニューの考え方を紹介していています。前回に引き続き、レースに向け、減量したい時の食事について考えます。今回は管理栄養士の柴田隆一さんに減量時の食材の選び方や、必ず取って欲しい栄養素について教えて頂きます。


5つの輪を崩さないで、量を減らす

前回、「勝ち飯®」では1日3回の食事で「主食」、「主菜」、「副菜」、「汁物」、「牛乳・乳製品」の「5つの輪」をバランスよく食べることを基本としているため、減量時も「5つの輪」を少しずつ減らしていくことが基本という話をしました。また「甘いもの」、「アルコール」、「あぶらもの」の3つの「あ」を減らそうということも再度、確認してください。
減量する際のポイントのひとつに食材の選び方があります。それを知っておけば「勝ち飯®」のバランスを維持しながらも、減量にもつなげることができるのです。

まず気をつけて頂きたいのが「脂質」の少ないものを選ぶ点です。これは「あぶらもの」に注意することに他なりませんが、豚肉でいえば「ロース」より「ひれ」が脂質が少ないですし、みそ汁の具も「油揚げ」をわかめや豆腐に変えることで、カロリーを抑えられます。たんぱく質も肉より魚にした方が脂質を下げることができ、お勧めです。「脂質」、「油分」は「あぶらっこいもの」を避ければよく、感覚的に代わりが見つけやすい食材だと思いますので、好みに合う食材を探してみてください。
また以前にもお話しましたが「GI値」の低い食品は、吸収が遅いため、腹持ちがよくお勧めです。白米を玄米に、パンをブランパンに変えれば適切に糖質を取りながら、減量につなげることができるでしょう。「GI値」の低い食品は減量を考えるために知っておいてほしい知識です。こちらも無理なく食事に取り入れるものを見つけるといいでしょう。


減量時に意識して摂りたい栄養素は?

前回もお話した通り、体重が下がってもランニングのパフォーマンスが下がっては意味がありません。そのうえでまず意識して欲しいのは「筋肉の量を落とさないこと」です。減量時でもたんぱく質を積極的に摂ることは言うまでもありませんが、エネルギー源となる糖質が不足したまま走ると、筋肉が分解されてエネルギーへと変えられてしまいます。ランナーの皆さんは低糖質ダイエットは控えるべきと断言できます。ですので「勝ち飯®」がすすめる「補食」も減量時には取り入れるべきだと思います。おにぎりであれば玄米で作ったり、ササミバーなども脂質が少ないながらもタンパク質が補給でき、お勧めです。

他に注意したいのはカルシウムと鉄分です。カルシウムの不足は疲労骨折などを招きやすくなるだけでなく、ひどくなれば、骨粗しょう症へとつながりますし、鉄分が足りないと貧血の症状が出やすくなります。特にカルシウムは普段の食事をしていても不足しがちな栄養素です。「勝ち飯®」では乳製品を「5つの輪」に入れている通り、牛乳はカルシウム摂取に有効ですが、やや脂肪分が高いので減量時は「低脂肪乳」などがいいと思います。牛乳を使ったレシピも下に紹介しておきますので、ぜひメニューに取り入れてください。
「痩せること」と「貧血」、「骨粗しょう症」はセットで語られることが多く、減量による栄養面の不足で招きやすい症状です。そうならないためにも「5つの輪」を意識し、バランスのいい減量を心がけてください。


ウエイトコントロールのためのおすすめのレシピ

鶏肉のはちみつレモン煮

https://park.ajinomoto.co.jp/recipe/card/305243/
脂質の少ない鶏むね肉をじっくり煮込んだおいしいおかず。

チンゲン菜とコーンのミルクみそ汁

https://park.ajinomoto.co.jp/recipe/card/701926/
不足しがちなカルシウム補給に。牛乳を使った味噌汁。


「勝ち飯®」とは?

味の素株式会社は2003年に日本代表選手およびその候補選手を対象とした国際競技力向上およびメダル獲得数増の為のコンディショニングサポート活動、「ビクトリープロジェクト®」をスタートさせました。その長期に渡るサポート活動の知見とスポーツ栄養学の裏付けにより誕生したのが、アスリートの栄養環境を改善するための栄養プログラム「勝ち飯®」です。「何を食べるか」ではなく、「何のために食べるか」を考えることを推奨しています。
https://www.ajinomoto.co.jp/sports/kachimeshi/


  • 監修:柴田隆一

管理栄養士。2008年北京五輪に競泳日本代表選手として200mバタフライに出場。現役引退後は母校・日本大学のコーチングスタッフとして指導。2015年には管理栄養士の資格を取得し、スポーツにおける食の大切さを、自らの経験を加味して、多くのアスリートやジュニアアスリート・親へのセミナーを行う。




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