スポーツ栄養
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味の素株式会社がアスリートの栄養環境を改善するために開発した栄養プログラム「勝ち飯®」。その考え方を理解し、実践することが市民ランナーの走力アップにも大きくつながります。今回も引き続き、管理栄養士として多くのアスリートの食事をサポートする柴田隆一さんにフルマラソンを完走するためのからだ作りの「勝ち飯®」についてお話をうかがいました。
前回はフルマラソン完走のためには長時間走っても壊れない、健康で丈夫な体を作ることが何よりも大切で、それは1日3回、栄養バランスの取れた食事を摂ることで作られるという話をしました。しかし実際にフルマラソンを走るとなると、その時間の長さからエネルギーが枯渇してしまいます。1日3回の食事だけだと足りなくなるため、走る前後にエネルギーを補食で補充しなければなりません。こうした「1日3回の食事で足りないものを補う」、「必要なタイミングで必要なものを摂取する」ための補食も「勝ち飯®」の大切な考え方なのです。
「勝ち飯®」の補食では、レースや練習の前後に糖とたんぱく質、そして途中に糖を補食として摂ることをお勧めしています。糖はエネルギー源ですので比較的理解しやすいと思います。フルマラソンを完走するためにはエネルギーは大切な要素です。また失ったら速やかに補充するうえで日常の運動後の摂取も必要です。
なぜたんぱく質が必要なのでしょうか。それは運動をすることにより筋肉が破壊されるので、その修復を促すためです。たんぱく質の材料である「アミノ酸」の状態で摂取すると、吸収が速いため、私は現役時代、練習前にはアミノ酸、練習後にプロテインを飲んでいました。アミノ酸を摂ると体がよく動く実感がありましたが、実際にアミノ酸を摂ると筋肉の分解が抑えられるという研究データもあるそうです。そして練習後のたんぱく質の摂取は疲労の回復につながります。筋肉痛なども最小限に抑えられ、次の練習も頑張れますし、それが続くと走力が向上し、レースで走れて楽しくなるという良い流れが生み出されるでしょう。
補食は糖とたんぱく質を摂るというポイントを押さえておけばOK。たとえば、走る前におにぎりやバナナを食べ、アミノ酸サプリメントを摂るなど「食事+サプリメント」という組み合わせでも結構です。サプリメントは欲しい栄養素がピンポイントで摂れますので、うまく活用してください。
女性やある程度年齢を重ねた方は自然と食事の量も減ってくるかと思います。フルマラソン完走を目指すのであれば、1日3回の食事を意識してしっかり摂ることを心がけると同時に補食を上手に利用してほしいと思います。
とくに女性は体重を気にする傾向があるかもしれません。フルマラソンの完走を目指す練習や食事で筋肉がつき過ぎることはありませんが、骨も丈夫でないと走り切れませんし、ある程度の筋肉は付ける必要があるでしょう。しなやかで健康的な体に変えていくことが成功の秘訣だと思います。
食事は「これをマラソン前に1回食べれば大丈夫」というものではありません。1日3回、継続していく必要がありますし、摂るべき栄養素も多くあります。自然と食事のバランスを考えられるように、意識して取り組んでみてください。
⇒ https://park.ajinomoto.co.jp/recipe/card/703559/
くせの強い納豆も、いつもと違う汁物で。みょうがと青じそでさっぱり味噌汁。
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⇒ https://park.ajinomoto.co.jp/recipe/card/710164/
不足しがちなカルシウムを、牛乳・ヨーグルトでしっかり摂取。
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「勝ち飯®」とは?
味の素株式会社は2003年に日本代表選手およびその候補選手を対象とした国際競技力向上およびメダル獲得数増の為のコンディショニングサポート活動、「ビクトリープロジェクト®」をスタートさせました。その長期に渡るサポート活動の知見とスポーツ栄養学の裏付けにより誕生したのが、アスリートの栄養環境を改善するための栄養プログラム「勝ち飯®」です。「何を食べるか」ではなく、「何のために食べるか」を考えることを推奨しています。
⇒ https://www.ajinomoto.co.jp/sports/kachimeshi/
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管理栄養士。2008年北京五輪に競泳日本代表選手として200mバタフライに出場。現役引退後は母校・日本大学のコーチングスタッフとして指導。2015年には管理栄養士の資格を取得し、スポーツにおける食の大切さを、自らの経験を加味して、多くのアスリートやジュニアアスリート・親へのセミナーを行う。