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フルマラソン自己記録を23分更新 副業から本業になった台湾サンダル販売

2026年1月01日

※本記事は『ランナーズ2026年3月号』掲載内容になります。

台湾サンダルでフルマラソン3時間5分17秒(24年別大)をマークした阿部さん
台湾サンダルでフルマラソン3時間5分17秒(24年別大)をマークした阿部さん

ランニングで生きていく
小部本舗(こべほんぽ)代表 阿部雅哉さん(54歳)

ランニング界を支える人々を紹介する連載。今回は台湾サンダルを販売する小部本舗代表の阿部雅哉さん(54歳)です。2024年は台湾サンダルをはいてフルマラソン3時間5分17秒の自己ベストをマークしています。


ランナーの間で「台湾サンダル」の認知度がじわじわと高まっている。裸足に近いはき心地のワラーチと違ってクッション性があり、かかとを包むヒールカップが付いているので、シューズに近い感覚で走れる(ない型もある)。
日本でこのランニング用サンダルを広めているのは、小部本舗を営む阿部雅哉さん(54歳)。売り文句は「軽くて(25〜26㎝で120〜130g)、サッとはける。雨の日も足が蒸れず、皮膚やツメのトラブルも防げる。足指の筋肉が使えて故障防止になる」


台湾駐在でサンダルと出会い 21年から日本で販売を開始

阿部さんは11年の加古川で初めてフルマラソンに挑み、3時間39分42秒を記録した。はいていたのは、普通のランニングシューズで「まさかサンダルで走るようになるとは思わなかった」。シューズでの自己ベストは15年の福知山の3時間28分33秒だ。  

化学薬品メーカーに勤めていた阿部さんが台湾サンダルと出会ったのは16年からの台湾駐在時代。現地のランナーがサンダルで走っているのに興味を抱き、自分も試した。
はき続けるうちに、その快適さに魅了された。帰国後の21年に台湾でシェアをほぼ独占する龍峰開発有限公司の正規代理店として日本での販売を開始した。元々の商品名は「母子鱷魚」(ワニの母子)だが、阿部さんはシンプルに「台湾サンダル」と名付けた。当然ながら、発売当初は日本で知られておらず全く売れなかった。
「参加した大会を台湾サンダルで走ったり、試着会を開いたり。露天商のようなこともしていた」。当時もいまも、頼りは口コミだ。
 
販売に奔走するとともに、台湾サンダルで自己ベストを更新し続け、その効力を実証してきた。通勤ランで月間走行距離がかつての2倍(400㎞)に延びたこともあるが、24年の別府大分で3時間5分17秒を記録。シューズでの自己ベストを23分も上回った。
23年の水都大阪100㎞を9時間46分46秒で走り、この商品の超長距離への対応力も示した。「台湾サンダルで走ることでフラット着地になり、身体への負担が少ない走り方が身に付いた」と話す。  

台湾サンダルの存在が一気に知れ渡ったのは、24年2月の熊本城マラソンをサンダルで走ったランナーを地元テレビが取り上げてから。短縮版が全国ネットで放映されると、その反響で爆発的に注文が入った。
「何千足も注文がきたので夜を徹して発送作業を続け、これでは身体がもたないと思ったので注文を止めるほどだった」。それまでは副業だったが、軌道に乗った24年4月に化学薬品会社を離れ、サンダル販売を本業とした。
「本当は定年後に趣味程度でできたらと思っていたけれど、反響があったので思い切ってやってみようと思った。会社の同僚に誘われて始めたランニングがこんなかたちで仕事になるとは思わなかった」




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