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パリ五輪代表内定! 女子優勝の鈴木選手「マラソンは冷静に身を潜めるように走るのが大切」

2023年10月16日
国立競技場を発着点に開催されたマラソングランドチャンピオンシップ(写真/軍記ひろし)
国立競技場を発着点に開催されたマラソングランドチャンピオンシップ(写真/軍記ひろし)

2024年パリオリンピックのマラソン代表選考会である「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」が10月15日、東京・国立競技場を発着点に開催され、男子は小山直城選手(Honda)が2時間8分57秒、女子は鈴木優花選手(第一生命グループ)が2時間24分9秒で優勝し、日本代表に内定しました。

男子はスタート直後に川内優輝選手(あいおいニッセイ同和損保)が飛び出し、35km過ぎまで独走。後続が追いついてからは小山、赤﨑暁(九電工)、大迫傑(Nike)、川内の4選手が争い、38km過ぎの上りで抜け出した小山選手がじりじりと差を広げて逃げ切りました。9秒差の2位に入った赤﨑選手も代表に内定し、3位の大迫選手は5秒差で内定を逃しました。大迫選手から7秒差の4位となった川内選手は「自分の力は出し切ったので悔いはありません。今回の目標はパリ(代表内定)よりも大迫選手に勝つことでしたが、最後は(パリへの)思いの差が出ました」と振り返りました。

小山選手は埼玉県出身の27歳。中学・高校時代は個人での全国大会出場経験はありませんが、松山高校3年時の2015年には都道府県対抗男子駅伝の4区で区間賞を獲得し、埼玉県チームの優勝に貢献しています。東京農業大では2年時に関東学生連合で箱根駅伝にオープン出場(4区区間10位相当)。Hondaでは2022年、23年にニューイヤー駅伝の優勝メンバーとなり、今年3月の東京で2時間8分12秒を出してMGCの出場権を獲得しました。

7月にはゴールドコーストマラソンを2時間7分40秒の大会新記録で制しており、その経験が生きたそうです。「ゴールドコーストでは後半のハーフの落ち込みを少なくすることが課題だと感じ、それに取り組んだことがプラスに働いたと思います」と話しました。

女子は一山麻緒選手(資生堂)と細田あい選手(エディオン)が23kmで抜け出し、34km手前で一山選手が単独首位となりましたが、それまで3位を走っていた鈴木選手が38km過ぎに一山選手を逆転。3回目のマラソンで自己ベストを53秒縮めてマラソン初優勝を飾りました。34秒差で2位の一山選手も代表に内定し、3位の細田選手は一山選手と7秒差でした。

鈴木選手は秋田出身の24歳で、大東文化大4年時の2022年名古屋ウィメンズマラソンでは2時間25分2秒の日本学生記録を打ち立てています。大学駅伝は4年間8回のうち区間賞5回、区間2位3回。第一生命グループの山下佐知子監督は「(素質は)かなりのものがあり、身体づくりをしておけばある程度戦えるのかなと感じ、今回はそれが当たりました」と明かします。鈴木選手は「駅伝では前の選手を全員抜くつもりで(前半から飛ばして)ガツガツ走っていましたが、マラソンは冷静に身を潜めるように走ることが大切で、それを身につけられたと思います」と語りました。

ランナーズ11月号では日本陸連でMGCのプロジェクトリーダーを務める瀬古利彦さんのインタビューを掲載しており、瀬古さんが名前を挙げていた大迫選手と一山選手が今大会3位以内に入りました。3位の選手もこれから開かれる「MGCファイナルチャレンジ」で設定記録(男子:2時間5分50秒、女子:2時間21分41秒)を上回る選手が出てこなければパリオリンピックの代表に内定します。


マラソングランドチャンピオンシップ 上位成績

【男子】

優勝 小山直城(Honda) 2時間8分57秒
2位 赤﨑 暁(九電工) 2時間9分6秒
3位 大迫 傑(Nike) 2時間9分11秒
4位 川内優輝(あいおいニッセイ同和損保) 2時間9分18秒
5位 作田直也(JR東日本) 2時間9分42秒
6位 堀尾謙介(九電工) 2時間9分53秒
7位 井上大仁(三菱重工) 2時間9分55秒
8位 大塚祥平(九電工) 2時間9分56秒
(出走61人、完走56人)


【女子】

優勝 鈴木優花(第一生命グループ) 2時間24分9秒
2位 一山麻緒(資生堂) 2時間24分43秒
3位 細田あい(エディオン) 2時間24分50秒
4位 加世田梨花(ダイハツ) 2時間25分29秒
5位 松下菜摘(天満屋) 2時間25分57秒
6位 谷本観月(天満屋) 2時間26分40秒
7位 前田穂南(天満屋) 2時間27分2秒
8位 池田千晴(日立) 2時間27分14秒
(出走24人、完走18人)


※男女上位2人がパリオリンピック代表に内定


男子は小山直城選手が2時間8分57秒で優勝
男子は小山直城選手が2時間8分57秒で優勝
女子優勝の鈴木優花選手は2時間24分9秒の自己ベストだった
女子優勝の鈴木優花選手は2時間24分9秒の自己ベストだった


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