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【マイトレーニング】日本一速い51歳校長先生ランナー

2026年5月01日

※本記事は『ランナーズ2026年7月号』掲載内容になります。

25年福岡国際マラソンで2時間29分46秒の自己ベストでフィニッシュする川人さん
25年福岡国際マラソンで2時間29分46秒の自己ベストでフィニッシュする川人さん

マイトレーニング

週末50kmジョグとポイント練習で初サブ2.5達成

川人慎二さん(大阪・51歳)

マラソン2時間30分以内で走る市民ランナーを紹介する連載。今回は今年2月の別府大分マラソンで2時間29分31秒の自己ベストをマークした川人慎二さん(大阪・51歳)です。

文/吉田誠一 写真/石田祥一



「ランニングも学校づくりも心地よさが重要。レース前はわくわくの極致にいる」

今年の別府大分で2時間29分31秒の自己ベストを記録し、全日本マラソンランキング男性50歳のトップに立った川人慎二さん(51歳)は「日本一速い校長」と目される。

現在は午後9時半~10時に寝て、4時~4時半起きで10~15kmを走る。7時45分には出勤し、正門で生徒を迎える。管理職として率先して仕事の効率を高め、午後6時に退勤できるように努める。そこから帰宅ランなどで10km走る。サブスリーの教頭(他に4教員がマラソンを走る)らの協力で、木曜日午後7時10分からの練習会にはほぼ欠かさず参加する。

木曜日と日曜日の長居公園での練習会にはフル2時間30分切りのランナーが集い、レース並みの緊張感あふれる練習で激しく競う。川人さんは日曜日の練習会後、20kmジョグで家に向かう。
「スピード練習では若手に敵わないが、ストイックさでは負けないようにしている。年を重ねても走り込みで脚力を鍛えておけばスピードは大きく落ちないと感じる。前日に50kmジョグをしても、翌日は予定通りポイント練習をこなす。身体が丈夫なのか故障もほとんどしない」


夏場の走量を月間約200km増やした昨季は12月の福岡国際で50歳にして念願の2時間30分切り(2時間29分46秒)を果たし、2月の別大で自己最高をさらに更新した。「一気に壁を越えた気がする。今季は同年齢の宮原武也さん(男性50歳3位)と競い合って2時間28分台までもっていきたい」


43歳で17年ぶりに走り始める

高校、大学で陸上部に所属し、5000mの自己ベストは15分30秒。大学を卒業し、小学校教員になってからも走り続け、01年の別府大分マラソンで自己最高を2時間33分16秒まで伸ばした。

その後、結婚して子どもができ、仕事で多忙なこともあり、ランニングを中断した。娘が中学生になり自分の時間が持てるようになってから17年ぶりに走り始め、18年福知山は3時間12分48秒。22年防府を2時間33分6秒で走り、21年ぶりに自己記録を更新した。

職歴をたどると、ブエノスアイレス(アルゼンチン)の日本人学校、兵庫教育大学附属小学校への派遣を経て、40歳で教頭、現在は堺市立東百舌鳥小学校(大阪)の校長を務める。

教員になったのは「身体を動かすのが好きで、子どもたちと遊んでいたい、それを職業できたら幸せ」と考えたから。校長として「心地よい学びあふれる学校づくり」を掲げている。
「大切なのはわくわくする心地よさ、安心できる心地よさ、達成する心地よさ」。朝礼で「いい失敗をしよう。挑戦しないと失敗はできない」と唱える。

「私自身、レース前はわくわくの極致にいる。九州や北海道で試合があっても、翌日には朝礼で子どもたちに結果を報告するため当日に帰る。チャレンジせなあかんと自分に言い聞かせている」

大食漢でビール好き。福岡国際や別大の前日もビールを欠かさない。「好きなものを我慢してストレスをためたくないから」。ランニング仲間との交流を大いに楽しむ。
「ランニングを再開してから仕事で落ち込むことも少なくなり、気持ちも前向きになった。仲間と長居公園からジョグで帰りながら、『何て幸せな人生なんや』と話しているんですわ」

今季もトラックレースやハーフマラソンには出ず、フルだけに絞る。「2時間30分を切って走り続けること」を今後の目標に掲げている。


1週間のメニュー例

走り込み期(4~9月)


【朝】10~15kmジョグ(キロ5分20秒~4分40秒)
【夜】10kmジョグ(キロ5分20秒~4分40秒)
※月曜、水曜日は夜走る前にジムで筋トレを行う
【朝】10~15kmジョグ(キロ5分20秒~4分40秒)
【夜】10kmジョグ(キロ5分20秒~4分40秒)
【朝】10~15kmジョグ(キロ5分20秒~4分40秒)
【夜】15kmペース走(キロ3分35秒~45秒)
【午前】50kmジョグ(キロ5分~4分20秒)
【午前】2000m×4本(キロ3分20秒)
または16km(キロ3分30秒前後)
+1km×2本など+20kmダウンジョグ
レース期(10~3月)


【朝】10~15kmジョグ(キロ5分20秒~4分40秒)
【夜】10kmジョグ(キロ5分20秒~4分40秒)
※月曜、水曜日は夜走る前にジムで筋トレを行う
【朝】5km閾値走(キロ3分25秒前後)
【夜】10kmジョグ(キロ5分20秒~4分40秒)
【朝】10~15kmジョグ(キロ5分20秒~4分40秒)
【夜】20kmペース走(キロ3分30秒~35秒)
【午前】30kmペース走(キロ3分35秒~45秒)
※土日のいずれかに長居公園で実施

① 脚筋力を強化する走り込み

4~9月は月間900km年齢を重ねても脚筋力を保てばスピードは大きく落ちないと考え、昨季は年間を通して走量を増加。平日は朝4時台から10~15kmジョグ(キロ5分20秒~4分40秒)、勤務後も同ペースで10km。土曜日の50kmジョグの最後はレース後半を意識してキロ4分20秒に上げる。日曜日のポイント練習後も脚づくりのため、ダウンで20km走る。


② 年間通してペース走を重視

キロ3分30秒に慣れる スピードタイプではないと自覚し、キロ3分30秒で走る距離を延ばすことに重点を置く。木曜日の練習会のペース走では、夏はキロ3分35秒~45秒で15km、秋以降はキロ3分30秒~35秒の20km。この練習でレースペースに余裕が生まれ、フル2時間30分切りにつながった。レース期も練習量を保つため、月間650~700kmを維持する。


③ 土日はセット練習が基本

平日は出勤前に5km閾値走 走り込み期では、土曜日に50kmジョグ。翌日の日曜日に練習会でポイント練習を行う。キロ3分20秒の2000m×4本、キロ3分30秒前後の16km走+1km×2本(フリー)や変化走など、毎回異なるメニューで参加者と競い合う。レース期は火曜日の早朝に、キロ3分25秒前後の5km閾値走をこなし、単独でレースペースを走る感覚を養う。



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