※本記事は『ランナーズ2026年2月号』掲載内容になります。
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対話型AIサービスが広く浸透し、ランニングに活用するランナーが増えています。昨年3月号に登場、11月のニューヨーク・シティマラソンを完走した92歳の北畑耕一さんもそのひとり。本特集では活用者の体験談を紹介。使用目的はそれぞれですが、「AIを活用してマラソンがよりおもしろくなった」は共通していました。
92歳の北畑耕一さんは「早朝ランがうまくいかない」という悩みをAIに相談。提案された対策を取り入れたところトレーニングが継続でき、ニューヨーク・シティマラソン完走につながったという。
7月某日、目標とする11月のニューヨーク・シティマラソンに向けて北畑さんは悩んでいた。普段、週2回のランニングは午前11時頃から行っている。しかし7月に入りあまりに暑いため、少しでも気温が低い早朝に走ろうと試みたものの、思うように身体が動かず走れない。そこで、最近何かと相談に乗ってくれるAIに聞いてみようと思い立ち、このように問いかけた。
「91歳(相談当時)の老ランナーです。夏のランニング練習についての質問です。毎年3回フルマラソンを走っています。秋のレースに向け真夏の練習として、週2回、5〜7㎞を昼間11時頃走っていましたが、あまりに暑いので早朝5時半頃に走ることにしました。5時起床、軽いストレッチ、オレンジジュース1杯とバウムクーヘンを1個食べてランニングに出ました。いつものようにまず1㎞をウオーキング、その後走ろうとしたら、すぐ心拍数が上がって、身体が動きません。なぜ早朝は走れないのですか?交感神経の問題?」
するとAIに体重・体脂肪率・心拍数(安静時・運動時)を問われた。情報を送ると、AIから「高齢者は交感神経の立ち上がりが遅れるため」「朝は体温が低く筋肉の収縮スピード・出力が昼間に比べて低いため」「バウムクーヘン+オレンジジュースは単糖類中心で血糖が急上昇→急降下しやすい」という要因と、それに対する対策方法が提示された。
北畑さんはアドバイスに従ってみることにした。
「提案された通りに、早朝ラン前にまず温めたほうじ茶を飲み、次にバナナとヨーグルトを食べ、初めのウォーキングを2㎞に延ばしました。そうすると、徐々に早朝でも走れるようになりました」
AIのアドバイスに説得力があると感じ、今回はAIに従ってみることにした。
10月、ニューヨークの4週間前に30㎞レースに出たときのこと。疲労蓄積のため22㎞でリタイアした北畑さんは、このようにAIに問いかけた。
「91歳のため体力の限界に近づいていますが、ニューヨークはぜひ完走したい。これからどんな練習をすればいいですか」
するとAIは「身体の危険サインではなく、エネルギー・筋持久力の限界に近づいただけ。本番4週前の段階としては理想的な〝調整の兆し〞です」「30㎞大会は〝最高のリハーサル〞でした。今後4週間は、鍛えるより疲れを抜くことで、脚も心も蘇ります」
AIの前向きな回答を受け、「やることはやった。これでダメなら仕方ない、と開き直ってニューヨークに臨むことができた」という北畑さん。11月2日のニューヨーク・シティマラソンを、7時間25分で見事完走した。
「AIは何を相談しても必ずポジティブな返しをしてくれるのがいいですね。質問者に忖度することも多々ありますが、特長は現状肯定であり、『もっと頑張れ』とは決して言わない。何かしら将来に希望を持たせる。そこが気に入っています」
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