※本記事は『ランナーズ2026年8月号』掲載内容になります。
練習会で走る福井さん。昨年の金沢マラソンを6時間33分49秒で完走
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福井さん68歳で走り始め、71歳の初マラソンでニューヨーク・シティマラソンを完走。20代は出版社で働き、退職後も自費出版で書籍を執筆している。
文・写真/市村まや
68歳で走り始めた福井みゆきさん(84歳)は、週3回アンティークショップで働きながら、週3回、トレイルランナーの半田佑之介氏が主宰する『Tsukuba Strides Running Club』の練習会に参加している。
トレーニングに励む傍ら、仲間との交流を楽しむ。月間走行距離は約100㎞。就寝は21時、起床は3~4時。「起床後、新聞を読む時間は朝の至福のひとときです。世の中の動きを知るのが楽しいんです」と語る。
茨城県在住で、2014年から連続で『つくばマラソン』に出場し、12年からは計8回、かすみがうらマラソンの10マイルの部を走った。
「つくばは75歳のときに5時間30分で完走して年代別4位でした。近年は途中棄権もありますが、完走が毎年の目標です。昨年は失速防止のためにエネルギーゼリーを8個携帯したものの、重さが負担になっていました。今年は軽量のジェルを試す予定です」
走歴16年、フルマラソンの出走は計15回。初マラソンは米国に滞在していた71歳のときのニューヨーク・シティマラソン(5時間1分、自己ベスト)で、前年に大会ボランティアとして参加し、出走権を得た。
「ニューヨークロードランナーズに入会して、対象レースに9回出場し、1回ボランティアをすると、ニューヨーク・シティマラソンの出場資格がもらえるんです。5㎞や10㎞のレースに出たり、大会資料の封入作業を手伝ったりしました。シニアに優しいクラブで、年会費も当時の日本円で2400円程度でした」
昭和16年(1941年)群馬県に生まれ、中学・高校時代はバレーボール部で汗を流した。大学進学後はスポーツから離れ、大好きな児童文学の研究に打ち込んだ。
「卒業後は講談社に入り、児童書やノンフィクションの編集をしました。26歳で結婚して、主人(画家)の仕事の都合でニューヨークへ渡ったのですが、スポーツとは縁がありませんでした」
1981年に帰国後、当時の画廊での仕事を60歳で退職してから体重が増えてしまいランニングをしていた娘に誘われたのがキッカケで走り始めた。
「走り出すのに年齢は気にしませんでした。当時、米国の大学院に在籍していた娘とセントラルパークでジョギングするのも楽しみでしたね。いまも一緒にレースに出られることがうれしいです」
走り始めてから文学への関心もさらに深まり、村上春樹の『走ることについて語るときに僕の語ること』(文藝春秋、2010年)を読み、続けることの大切さに感銘を受けた。
「マラソンは自分を耕す作業だと実感しています。走るたび、自分が少しずつ豊かになってゆく気がします。今年もつくば完走を目標に走ります」
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