※本記事は『ランナーズ2025年1月号』掲載内容になります。
イラスト/hoco
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タイムと年齢から算出した「マラソン偏差値」の上昇を目指すことは、「最近加齢で記録が低下してきた」というランナーのモチベーション向上にも最適。年齢や性別の異なるランナーと「マラソン偏差値」で競うという楽しみもできます!
※本企画のマラソン偏差値は2023年度の全日本マラソンランキング(1歳刻みランキング)から5歳刻みで算出
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(表1)
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マラソン偏差値を使ってモチベーションアップ
今回、2023年度全日本マラソンランキングをもとに、男女別5歳刻みで偏差値を算出しました。各年代の偏差値70、65、60、55、50、45のタイムを表したのが上の(表1)です(偏差値は〈各年代の平均タイム-記録〉÷標準偏差×10+50で算出)。
冒頭にも記載しましたが、今回ランナーズがこの表を作成したのは、「記録の更新ができなくなってからもモチベーションを保つキッカケ」を提供したいとの思いからです。例えば、男性40歳の3時間45分(偏差値57.35)と60歳の3時間45分(62.53)では、タイムが同じでも偏差値は5以上向上します。
また、同じ偏差値60を見た場合、男性40〜44歳が3時間29分35秒なのに対し、60〜64歳では3時間57分53秒。つまり、40歳のサブ3.5と60歳のサブフォーはかなり近い難易度ということができます(母集団が異なるため、完全には同じではない)。つまり、異なる年代・性別のランナーの比較という点でも使用できるのです。
これらを踏まえ今回提案するマラソン偏差値は、
①タイムが伸びなくなっても、自己ベスト達成時よりも高い偏差値を目指してみる
②「今のままのタイムをキープすれば、〇歳では偏差値〇になる」ということを目標にする
③年代や性別が異なるランニング仲間、クラブのチームメイトと偏差値で比較してみる
などの楽しみ方があります。
全日本マラソンランキング(1歳刻みランキング)とともに、加齢に負けずにマラソンを楽しむキッカケとしていただければ幸いです。
※当偏差値企画への感想やご要望等ありましたら、ぜひランナーズ編集部(runners@runners.co.jp)へお知らせください。
算出したマラソン偏差値によって分かった男女や年代別の記録の価値、ハイレベルな都道府県などをまとめました。
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(表2)3時間、3時間30分、4時間の偏差値
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1.
同じ偏差値50でもこんなに違う
ページ冒頭の(表1)は、男女年代別で偏差値45、50、55、60、65、70に相当するタイムを並べたものです。これを見ると、同じ偏差値でも年代や性別でタイムが違うことが分かります。例えば「40〜44歳の偏差値50」を男女で比較すると、男性4時間27分37秒に対し、女性は4時間57分25秒なので、その差は29分48秒です。
2.
女性の方が加齢によるタイムの低下はゆるやか
この偏差値を見ると性別によるタイム差は、40歳以降、縮まっていくことが分かります。偏差値70を見ると、最も男女差が大きいのは、20〜24歳で46分47秒差(男性2時間44分55秒、女性3時間31分42秒)。それが65〜69歳では21分24秒差(男性3時間23分39秒、女性3時間45分3秒)と、半分以下です。加齢によるタイムの低下は男性より女性の方がゆるやかだといえるかもしれません。
3.
女性の4時間は男性の3時間30分とほぼ同じ
(表2)は3時間、3時間30分、4時間が、各性別の各年代だとどのくらいの偏差値になるかを記したものです。傾向として女性の偏差値は、同年代で30分速いタイムの男性の偏差値と近しくなります。例えば、女性の4時間と男性の3時間30分、女性の3時間30分と男性の3時間が同じ程度の偏差値になります。また男性の70〜74歳のサブフォーが65.61、男性30〜34歳のサブスリーは65.78と、ほぼ同じくらいの偏差値です。70代サブフォー難易度の高さが分かります。
4. 21
歳の2時間6分より76歳の3時間17分が上!?
男女別の最高偏差値は次のとおり。
【男性】78.51 財前廣和さん(76歳・3時間17分5秒)
【女性】82.19 大西ひかりさん(23歳・2時間26分12秒)
男性1位の財前さんは、2023年度の最年長3時間30分切りランナー。女性1位の大西ひかりさんは、日本郵政JPに所属する実業団ランナーで、昨年はアジア大会の日本代表にも選ばれています。
ちなみに男女別「最高タイム」の偏差値は次のとおり。
【男性】76.37 平林清澄さん(21歳・2時間6分14秒)
【女性】81.84 前田穂南さん(27歳・2時間18分59秒)
76歳3時間17分57秒の財前廣和さんが21歳2時間6分14秒の平林清澄さんを偏差値で上回っているのも面白い点です。
5.
超一流(!?)の偏差値75超えランナーたち
偏差値70を超えるとその年代でも限られたランナーとなりますが、75を超えているのは全体でも一握りの人々だけとなります。ただし、若年層は平均タイムが低く、トップ層は多くが75以上になっていることから、ここでは20〜30代の一部と40歳以上偏差値75超えのトップランナーたちを紹介します(表3)。
65歳以上の世界記録を出した弓削田眞理子さんや10月号に登場した男女最年長サブ3.5ランナーである財前廣和さん、森下多恵さん。最前線で活躍するランナーの中ではパリオリンピック男子マラソン代表の小山直城さん、女子1万m・ハーフマラソン日本記録保持者の新谷仁美さん等がいます。
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(表3)偏差値75超えランナー一覧
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6.
高偏差値がそろう県は? 男性は新潟
各県のレベルを見るため、偏差値50以上(平均以上)のランナーの割合がどのくらいいるかを県別に抽出しました。男性トップ3は次のとおり。括弧内の数字が50以上のランナーの割合です。
【1位】新潟(69.30)
【2位】青森(67.42)
【3位】大分(66.00)
上位2県はいずれも雪深いエリア。雪はランニングにとってはマイナス要因であり、実際にフルマラソンの完走者数で見ると、1位の新潟は1277人、2位の青森は752人。これは47都道府県でそれぞれ39番目、44番目となります。裏を返せば、雪でもなお走り続けられる気持ちの強いランナーたちだけが残り、数値を押し上げたといえるでしょう。
3位の大分は、別府大分マラソンの影響が大きいと考えられます。別大は制限時間が3時間30分の、多くのランナーが憧れる大会です。大分県男性の全完走者数は1206人ですが、そのうち約18.3%にあたる221人は別大のタイムが2023年度の自己ベストでした。
7.
女性1位は長野 60代以上が元気な県が上位に
女性も同様に、都道府県別の偏差値50以上ランナーの割合トップ3を紹介します。
【1位】長野(68.50%)
【2位】青森(65.35%)
【3位】和歌山(65.32%)
長野、大町アルプス、松本と県内で3つのフルマラソン大会を開催している長野が1位。フルマラソン完走者数762人は都道府県中22番目です。60歳以上のランナーは、82人中63人が偏差値50以上(76.8%)と高い数値です。
マラソン偏差値はランナーにとってどんな意味を持つのか。昨年度、還暦サブスリーを狙ったプロランニングコーチの金哲彦さんと、多くのミドル・シニアランナーを指導するe-Athletesの鈴木彰さんに伺いました。
元々日本人は偏差値に興味があるので、マラソンのタイムを偏差値で表すというのは面白い試みだと思います。特に「サブフォーは30代だと偏差値がこのくらいだけれど60代になったらここまで上がる」のように、同じ記録が年代によってどういった数値になるかを見ることで、一言でサブ〇〇といっても、その人の属性によって難易度が変わることがイメージしやすいのではないでしょうか。弓削田さんの偏差値などは、東京大学を超えているから、すごさが分かりますよね(笑)。私自身もまだ還暦サブスリーをあきらめていないのですが、必要な偏差値は71と30代が2時間30分以内で走ることと同等の難易度ですね。
今後、もしできるなら大会ごとに年代別入賞のボーダーラインとなる偏差値を公開してもらうと、シニアランナーにとってのモチベーションとなるかもしれません。また、大会ごとに平均偏差値を出せればどのマラソンが本当にレベルが高いのか知ることができます。それから、ハーフマラソンなどの他種目でも偏差値を出してくれると、種目ごとに自身の得意、不得意が分かって弱点の強化などに役立ちますし、いろいろな発展が考えられます。
金哲彦さん(60歳)
プロランニングコーチ。今年の玉名いだてんマラソンは3時間16分25秒で偏差値68.15 |
これは中高年ランナーにとっては非常にモチベーションになる企画だと思います。私がお勧めしたいのは、「加齢による記録の低下(落ち幅)を楽しむ」ということ。通常、ランナーにとってタイムが落ちていくというのはやる気の低下につながってしまうものです。自分としても悔しいですし、所属しているクラブで若い頃は引っ張っていたのに、年を取ってタイムが低下すると相手にされなくなってしまったという話も聞きます(笑)。私自身も感じているのですが、60歳ぐらいからの1歳というのは本当に大きくて、モチベーションの維持が難しいんです。
そんな中、偏差値ならば「記録は落ちたけど偏差値は向上している」「クラブの若いメンバーよりも偏差値なら高い」といった見方ができます。そして、「3年間で2分の低下に留めれば偏差値は2ポイントアップする」など、低下をそのまま残念と感じるのではなく、その幅を押しとどめることが楽しくなり、それがトレーニングへのモチベーションにつながると思うのです。若いランナーも「あと10年今のタイムをキープすれば偏差値70になる」など、自らの可能性を感じることができます。
今、日本で参加基準があるレースは絶対的なタイムばかりですが、年代別に基準タイムが異なるボストンマラソンのように、「各年代偏差値60以上のランナーが優先的にエントリー可能」といった大会ができても面白いと思います。
鈴木彰さん(62歳)
e-Athletesヘッドコーチ。中学から走り始め、高校・大学・実業団を経て1989年から指導者を務める |
同じ偏差値でも年代や性別によって特徴は表れるのか。そんな疑問を探るべく、全体の上位15%となる偏差値60のランナー3人による座談会を実施しました。
文/若林有美
(左)松村加代子さん(山口・58歳)昨年度、初のサブフォーとなる3時間56分10秒を出して偏差値63.06
(中央)渡辺拓司さん(東京・62歳)自己ベストはサブスリー。昨年度は3時間43分1秒で偏差値62.92 (右)軍記ひろしさん(東京・46歳)本誌カメラマン。昨年度は3時間25分41秒のベストを出して偏差値61.41 |
編集部 今回新しくマラソン偏差値というものを算出しました。皆さんはその偏差値が60ちょっとという、ほぼ同じ数字です。
渡辺 偏差値を見たのは大学以来かもしれません。私は50歳から走りはじめて54歳の時にサブスリーを達成しました。ベストは2時間58分37秒。今も練習量は当時と同じくらいですが、タイムに結びつかないのが現状です。今回出してもらった数値もモチベーションにして何とか浮上したいです。
松村 私は走りはじめて12年ですが、ここ1年でタイムを目指そうと頑張り、3月に初めてサブフォーしました。自分の偏差値が63もあるんだって聞くと素直にうれしいです。
軍記 偏差値って意識したことなかったんですが、このくらいだと言われて、ちょっとずつ上がっていければいいなと思いました。今が3時間25分なので急にサブスリーするのは難しいけれど、少しずつベストを出して偏差値も上げていきたいです。
渡辺 2人とも自己ベストが狙える状態というのは率直にうらやましいです。私の場合、どうしても自己ベストは更新するのが難しい状況で、記録への興味が低下してきているんですよ。
編集部 まさにそういった方々に、このマラソン偏差値を刺激にしていただきたいです。ところで偏差値60というのは上位15%にあたります。皆さんどんなトレーニングをなさっているのですか?
渡辺 毎日朝4時から走っています。普段は10kmぐらいのジョギングで、毎週水曜日は真っ暗の中インターバル走、土日はペース走で2日合わせて50kmくらい走っています。レース出場回数や筋トレの頻度はサブスリー達成時よりやや減りましたが。
松村 朝4時から走っているのはすごいです。私は今年、月250km走ろうと決めて走っています。ジョギングだけでなく、6kmくらいの短いビルドアップ走を最後の2kmだけマラソンペースより速く走ったり、1kmの坂を3往復するインターバル走もしたらタイムが伸びました。
軍記 やっぱり偏差値60超えで走るにはジョギングだけだと難しいですよね。2人の話を聞いて改めて思いました。僕は普段は月100kmぐらいなのですが、マラソン3カ月前くらいから200km前後走って、トラックの練習会でスピード走もするようにしています。
渡辺 その練習量で3時間20分台で走れるのはうらやましい。やはり若いっていいですね。
軍記 30Kシリーズなど30kmの大会や練習会に参加して、30km走を多めにこなしているのもいいのかもしれません。1人だとできませんが、30km走の効果は大きいと思います。
松村 軍記さんも普段からスピード走をするともっと速くなるかもしれませんね(笑)。私はYouTuberのこわだくんのファンで、実際に会った時に「スピード走などちょっとハードな練習をしないとサブフォーできない」といわれて実践するようにしたら、確かに4時間を切ることができました。筋トレも定期的に行っています。
【偏差値60超えランナーの特徴】
◎普段から定期的に走る習慣を持っている
◎マラソンに向けて(または日常的に)スピード走や30km走などある程度ハードな練習を行う
◎筋トレやストレッチも実践
◎目標に向かうモチベーションがある
編集部 今後、今の偏差値をキープするか、上げていきたいかだとどうでしょうか?
渡辺 私は3時間20分ぐらいに戻したいと考えています。そうすると偏差値65〜70の間ぐらいになりますよね。そこまで上げたいです。
軍記 偏差値70のタイムを見るとエリートランナーの雰囲気で少し違うなと思うので(笑)、僕も65を目指したいです。ただ、ここ最近記録が停滞しているんです。何かアドバイスはありませんか?
渡辺 記録を出したいなら、数年間だけでも本気で頑張るのがいいと思いますよ。私はサブスリー時には自分より速いランナーと一緒に練習して必死についていきました。今はサボっている筋トレも毎日30分ぐらいしていました。
軍記 なるほど。今もストレッチは日常的にしているのですが、65を目指すにはさらに本気度を上げないとダメですね。
松村 私は大きな夢が別府大分マラソンに出ることなんです。その資格が3時間30分以内なので、2、3年かけて目指したいです。そして、今回分かったのですが、もし60歳でサブ3.5ができたら偏差値70になるんですよね。かなりの難易度ですけど、その分すごく頑張っていると言えると思うんです。だから、より3時間30分を切りたい気持ちが強くなりました。
40歳以上の偏差値75以上のランナーは全国でも一握り。そんなスーパーランナーはどんな練習をしているのか? 男女2人を取材しました。
文/吉田誠一
中山淳子さん
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クロカンコースでの変化走で走力を維持「60代だからこのくらいでいいという心の壁をつくらない」
今年3月の名古屋ウィメンズマラソンを3時間10分18秒で走り、1歳刻みランキングの66歳1位となった中山淳子(あつこ)さんの偏差値は77.33。35歳以上の女性では3番目となる偏差値の高さに、「弓削田さんや新谷仁美さんというスーパーアスリートの次ということにびっくりした。私は普通のランナーなのに」と謙遜する。
愛知教育大学で陸上競技を始めたが、800mは2分30秒、1500mは5分を切っていない。小学校教諭に就いてからは競技から遠ざかった。
再び本格的に走り始めたのは子育てを終えた40歳になってから。地元のハーフマラソンに出てみると1時間30分を切り、「私って意外に速いんだな」と自覚した。44歳だった2002年東京国際女子マラソンで初のフルマラソンに挑み、いきなり3時間3分40秒で完走した。
それ以来、フルは大阪、名古屋(現・名古屋ウィメンズ)、東京の国際女子マラソンのみに出場し、自己最高は06年名古屋の2時間58分25秒。還暦を迎えてからも記録を3時間15分以内に収めている。
自己最高の2時間58分25秒(49歳)を最新マラソン偏差値の45〜49歳に当てはめると72.1。それ以降サブスリーはできていないが、相対評価である偏差値は当時よりも上がっている可能性が高い。
練習は基本的に午前中、名古屋の自宅に近い大高緑地公園でこなす。自分で起伏のある1周2km超のクロスカントリーコースを定め、7周から9周の変化走を行う(約15〜20km)。2km超のコースを1周11分〜9分ほどの間で2周ごとにペースの上げ下げを繰り返す。走った後はリラックスするため、プールで1000mほど軽く泳く。
60歳で定年となり、現在は小学校の理科の非常勤講師として週に3日勤務する。「仕事のない日は台風だろうが必ず走るというのがマイルール」。つまり練習は週4回で、月間走行距離は400km前後になる。土日だけ走っていた定年前より練習量が2倍に増えた。
「今のほうがレース終盤の落ち込みがない。20年やってきて、ようやくマラソンの走り方が上手になったかな」
特筆すべきは、夏場はトラックの800m、1500mに専念していることだろう。「中学生、高校生と一緒に走って刺激をもらっている」
今年は8月にスウェーデンの世界マスターズ選手権に出場し、65歳〜69歳の800mで2位、1500mも3位となってメダルを獲得した。
「以前の自分を超えるという気持ちを常に持っている。60代だからこのくらいでいいという心の壁をつくってはいけないと思うんです。マラソン偏差値も『私、なかなかやるじゃん』という気になり、モチベーションが上がりました。若い人に負けないように頑張ろうと思います」
フルマラソンの当面の目標は3時間7分切り。再び大阪国際女子の標準記録突破を目指している。
吉永倫英さん(写真右)
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還暦後に10km32分台の自己ベスト「若いランナー相手でも、負けて悔しいという気持ちを持ち続けたい」
男性の40歳以上で偏差値75を超えているのはわずかに8人。このうち、最も若いのが当時61歳だった今年3月の静岡マラソンを2時間39分20秒で走った吉永倫英さんだ。フルマラソンの完走はまだ7回ながら、年齢別1位を4回獲得。今回の記録が自己ベストだという。
「フルは5年ぶりだったのですが、厚底のおかげかベストが出ました。(1位獲得の)打率はなかなかのものでしょう(笑)。普段練習会で競っているのが40代のランナーだから年齢のことはあまり考えないようにしているのですが、偏差値75以上と教えてもらうと新鮮な気持ちで頑張ろうと思えますね」
高校時代は陸上部に所属し「県大会で敗退するレベル」だった。卒業後は親のタイヤショップに勤務し、現在は自らが経営。49歳の時に近くで開催される市民マラソン5kmの結果を見て再び走り出した。
ロードの5kmを中心に走り、50代に入ると17分前後で走れるようになった。13年にしまだ大井川マラソンで初マラソンに挑み、スピードを活かしていきなりサブスリー(2時間53分44秒)。翌年からは毎年静岡マラソンのみ出場し続けている。
そんな吉永さんの走力を支えているのが、自身がメニューを作成している毎週木曜日に開催する練習会「草薙激走会」だ。20代から70代のランナーまで在籍し、年齢別5位以内が7人いる。ここでは「ライバル」の40〜50代ランナーたちと1km×10本や5kmタイムトライアルなどで切磋琢磨。厚底シューズを着用するようになった60歳ごろから走力がアップし、還暦後の最高は5kmが16分6秒、10kmが32分58秒だという。
「みんな会に入った頃は私より遅かったのにどんどん追い抜かれてしまった。まだまだタイムでも勝負したいけど、偏差値で比べるのも面白いかもね(笑)」
翌金曜日に90〜120分のロングジョグを行い、月曜日にもペース走やロング走のポイント練習。その他の日は短めのジョグが中心。月間走行距離は300km前後だ。「以前はマラソン前400〜500km走っていたのですが、19年から故障が続いてスタイルを変えました」
その分、自宅から経営するタイヤショップまでの約5kmを自転車で往復。時には遠回りして28km走ったり、坂を自転車でダッシュすることもあり、月300kmは走行しているという。食事は外食を避け、無農薬の野菜にこだわる。飲酒も年数回しかしない。そして、毎日7時間は寝るようにしている。「今ケガをしたらタイムを追求するランナーとしては終わってしまう。そのため睡眠、食事、運動という王道を大事にしています」
取材の2週間前には余裕を持って30km走を1時間58分台でこなし、衰えは見えない。
「年齢を言い訳にせず、若いランナーに負けても悔しいという気持ちは持ち続けたいです。そして、来年の静岡は今年より速く走りたい。そうしたら偏差値ももっと上がるかな」
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ジョグジョグが聞く、教えて! あなたのMy Run, My Peace
純烈・後上翔太
50周年記念キャラクター・ジョグジョグが、走ることの魅力を探る連載第7回。今回は、歌謡コーラスグループ・純烈のメンバーとして、全国各地の温浴施設でも数多くのステージに立ってきた後上翔太さん(39歳)。「お風呂とマラソンの相性は最高。銭湯×ランニングの親善大使になりたい」と語る後上さんのランニングライフを聞きました。
夏を制する黄金タイムは?
朝ラン vs 夜ラン
これからの時期、日差しの強い昼間走ることは、とてもではないが難しい‥‥‥。では、いつ走るかというと、候補となるのは必然的に「朝」と「夜」の2つ。本企画では、朝ラン派と夜ラン派が実践談を通してそれぞれの利点を紹介。さらに、練習効果を倍増させる方法や、「朝起きてすぐに走り出しても大丈夫?」「夜にスピードを上げて走ると、その後なかなか眠れない」などのお悩みに専門家が答えます。
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