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【マイトレーニング】“肥満手前” の体格で2時間24分台

2026年3月01日

※本記事は『ランナーズ2026年5月号』掲載内容になります。

2月の大阪マラソンは2時間27分5秒で完走
福岡国際マラソンは2023年から3年連続で出場している

マイトレーニング

24時間勤務の鉄道マンは坂ダッシュと閾値走で速くなった

正崎大士さん(大阪・36歳)
マラソン2時間30分以内で走る市民ランナーを紹介する連載。今回は交代勤務の中トレーニングを積んで昨年12月の福岡国際マラソンで2時間24分30秒と5年ぶり自己新を出した正崎大士さん(大阪・36歳)です。

取材・文/吉田誠一 写真/ 石田祥一


「しっかりやせてマラソンランナーの体型で走りたい」

25年の福岡国際を2時間24分30秒で走り、5年ぶりに自己ベストを更新した正崎大士さん(36歳)は自虐的に「デブランナー」と自称する。身長168cm、体重は65kg。福岡国際は62.4kgで臨んだが、2時間27分5秒だった今年2月の大阪は64.8kgだった。「エリートランナーにはお腹がポコッと出ている自分のような人はいないので恥ずかしかった。『プロレスラーかよ』という視線を感じた」

BMIは23~24の時もあり、肥満(25以上)に近い普通体重だ。「体脂肪率は怖くて測れない」。好物はパンとスイーツ。お酒は飲まない。30代になってから走り込んでも体重が落ちにくくなった。毎日、練習内容とともに体重(前日比も)をSNSに投稿するようになったのは自身への注意喚起のためだったが、食べ放題、おかわり自由、大盛り無料の店に入ると、家族が引いてしまうほど際限なく食べる。しかし、それでもサブ2.5で走れるのだからユニークだ。「食べ放題だと元を取りたくなる。5年前に2時間25分40秒を出した時は59kgだったが、そこから歯車が狂い始めた」
 
小中学校で野球、高校ではラグビーをしており、当時の体重は70kg。鉄道会社に就職後、同僚の影響でマラソンに挑むようになった。初フルの12年紀州口熊野で3時間27分31秒。16年の神戸で2時間52分14秒を記録し、サブスリーを達成した。

当時はランナーのブログや小出義雄さんの書籍『30キロ過ぎで一番速く走るマラソン』を参考にして練習していた。その後も試行錯誤し、閾値走と急坂ダッシュを柱とするスタイルに落ち着いた。


泊まり勤務に合わせて練習

練習では厚底レーシングシューズをはかず、閾値走も時間走もすべて自宅周辺の1周600mの周回コースでこなす。距離はGPSウォッチで確認する。「鋭角な曲がり角があるコースをグルグル回っているので、大会でまっすぐ走る幸せを感じる」

練習スタイルは不規則な勤務体系の影響を受けている。職場は列車の運行を管理する指令所で、勤務はシフト制。基本は午前9時から24時間の泊まり番(4時間の仮眠を取れるが、眠れない時もある)、非番、休日(月に10日ほど)の順だが、このサイクルが崩れることもある。そのため、練習スケジュールを曜日ごとに固められない。

高強度の練習は非番か休日に取り組む。「前回あれをやったから、今回はこれにしようという感じになっている。1週間ないし10日間のうちに閾値走2回と坂ダッシュを絶対やるようにしている」。非番の日は昼食と仮眠をとってから夕方に走る。6時以降は家族と過ごす時間と決めており、9歳の息子と風呂に入ったりして10時に寝る。

泊まり勤務の日は午前6時半に起きて、出勤前に1時間ほどジョギングをする。家庭の事情で走れないことが月に1、2度あるが、基本的には毎日練習する。「妻は『雨の日も走るなんて理解できない』と言うけれど、好きなように走らせてくれている」と感謝する。家族で年に2度海外旅行を楽しみ、大会の応援を兼ねた旅もする。

今後の目標に2時間20分切りを掲げる。「しっかりやせてマラソンランナーの体型で走りたい。55kgまで落としたい」約10kgの減量となるため、「お菓子を食べない。おかわりをしない」という難度の高そうな誓いを立てている。


1週間のメニュー例

勤務日 【朝】60分ジョグ(キロ平均5分~6分)
非番 【夕方】100分ジョグ(キロ平均4分~5分)
休日 1km×10本(キロ3分20秒、間1kmジョグ)
勤務日 【朝】60分ジョグ(キロ平均5分~6分)
非番 【夕方】20kmジョグ(キロ平均5分~6分)
休日 20kmジョグ(キロ平均5分~6分)、上り坂ダッシュ150m×5本(間150mゆっくりジョグ)
勤務日 【朝】60分ジョグ(キロ平均5分~6分)
非番 【夕方】100分ジョグ(キロ平均4分~5分)
休日 2km×5~6本(キロ3分30秒、間1kmジョグ)

※休日の練習時間は日によって異なる
※休日や夏場は2回に分けて練習する日もある


① 徐々に疾走距離を延ばす閾値走

ポイント練習の柱として2種類の閾値走に取り組む。一つはキロ3分20秒のハーフマラソンペースでの1km×10本、もう一つは3分25秒のマラソンペースより幾分遅いキロ3分30秒の2km×5~6本。どちらもキロ5分の1kmジョグでつなぐ。大会の2カ月前から疾走の距離を延ばし、3km×4~5本、5km×3~4本としていく。


② 急坂で全力の坂道ダッシュ

2020年泉州国際で自己最高を出してからスピードの低下を感じたため、150m×5本の坂道ダッシュを始めた。しかし、効果が表れなかったため一時中断し、1年前からは勾配がよりキツい坂に変えた。「もう限界」と思えるほどの全力で駆け上がり、これが5年ぶり自己ベストの要因だと話す。2種類の閾値走と急坂ダッシュを7日~10日サイクルでこなす。


③ 大会2カ月前から150分の時間走とMペース走

月間走行距離は500km。夏場は30kmなどのロング走はしないが、大会2カ月前になると急坂ダッシュの代わりに、10日に1回ほど150分の時間走や16kmまでのM(マラソン)ペース走を組み込む。150分走はペース設定をせず、体感に任せる。最初のうちはキロ5分を切らないが、回数を重ねて身体が仕上がってくるとキロ4分15秒でこなせるようになる。



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