※本記事は『ランナーズ2026年3月号』掲載内容になります。
24年福岡国際マラソンを走る神さん
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神直之さん(北海道・35歳)
マラソン2時間30分以内で走る市民ランナーを紹介する連載。今回は12月の福岡国際マラソンを2時間15分34秒で走り、自己ベストを更新した神直之さん(北海道・35歳)です。
取材・文/吉田誠一 写真/ 石田祥一
12月の福岡国際マラソンを2時間15分34秒で走り、自己ベストを5分近く更新した理学療法士の神直之さん(35歳)は特異な競技歴をたどってきた。
野球をしていた小学6年時に青森市の大会の1000mで7位入賞したことが陸上競技への入口だった。とはいえ青森南高校では県大会止まり。北海道文教大学(理学療法学専攻)に進んでからは陸上サークルで活動した。
「冬は体育館を2~3周したらバスケットボールをするようなサークルだったけれど、意識の高い2人(砲丸投げと走り高跳び)と全国大会を目指した」
3年時に日本インカレの3000m障害に出場。出雲駅伝も北海道学連選抜の一員として2度、走った。だが、4年時は臨床実習を優先し、日本インカレ、出雲駅伝への出場を断念した。「まだ全国大会で戦いたかったので、やり残した感じがあった」卒業後、整形外科の理学療法士の職に就き、病院併設のフィットネスジムでパーソナルトレーナーも務めながら競技を続けてきた。
学生時代に参加した北極星ACの練習で市民ランナーが互いに高め合っているのを目にし、感銘を受けた。「大会で当時市民ランナーだった滑和也さん(その後実業団のSUBARUに所属)が実業団選手に競り勝っている姿に憧れた」
就職当初、ターゲットにしたのは3000m障害。日本選手権を目指す(16年から5度出場、自己ベストは8分42秒78)過程で、14年の東京マラソンで初フルに挑み、2時間22分56秒を記録した。「2時間18分くらいで走れる可能性があるかもしれない」という、現在を予見する感触を得た。
いま、重きを置くのは「1週間のトータルでバランス良く強化すること」。トレッドミルやトラックでのポイント練習でスピードに磨きを掛けつつ、平日夜間の2部練習(計1時間半、20kmほど)と日曜日のキロ5分前後のロングジョグ(80〜90分程度)で距離を積み上げる。
1000m×10本などの単純なインターバル走を好まず、レース展開をイメージした練習を取り入れる。例えば、1000m×2本(速めの入りをイメージ)+8000mビルドアップ走(レースの中間走のイメージ)+400m×2本(最後にペースアップ)という具合にメニューを組み合わせる。
またスピード持久力を高めるために16km前後のビルドアップ走を重要視している。「3分20秒~3分5秒での16kmビルドアップ走をこなせれば、1500mからマラソンまでペース維持に応用が利く」というのが持論だ。
25年は5月の洞爺湖を2時間20分39秒の自己最高で優勝。11月の日体大長距離競技会の1万mで29分6秒07の自己ベストを出し、福岡国際の2時間15分34秒につなげた。「年齢を重ねて短距離走のタイムは落ちたかもしれないが、スピード持久力は以前よりも向上している感覚がある」。理学療法士、健康運動指導士としての知見も故障防止など、日々のコンディショニングに生きているという。
練習はほぼすべて単独で行う。「大学時代からセルフコーチングで、ここまでくることができたのは『あきらめない気持ち』があったから。普通の人より、自分を客観視して、何が足りないかを分析し、トレーニングを最適化できていると思う」26年秋に1万mで28分台を出し、福岡国際を2時間14分前後で走って、27年の東京で2時間12分台を出すという明確なビジョンを描いている。
| 月水木 |
【夕方】12kmジョグ(キロ5分前後) 【夜】6~8kmジョグ(キロ5分~5分30秒) |
|---|---|
| 火 |
【夕方】12~16kmビルドアップ走(キロ3分20秒~3分5秒) ※トレッドミルで実施する場合が多い |
| 金 | レストまたは10kmジョグ(キロ5分前後) |
| 土 |
【午後】2000m(キロ2分50秒~2分45秒) +8000m(キロ3分20秒~3分5秒) +1000m(キロ2分40秒前後) |
| 日 | 【午後】16~18kmジョグ(キロ5分前後) |
積雪の影響で、11月中旬~3月中旬のポイント練習の7割(春~秋は1割)は体育施設のトレッドミルで行う。斜度は0%に設定。身体の土台づくりで、キロ3分20秒~3分5秒で12km~16kmのビルドアップ走を実施することが多い。練習に変化をつけるため、キロ3分20秒から始め、2km毎にキロ5秒ずつペースを上げ、キロ3分5秒になったら、再度3分20秒から繰り返す変化走を行うことも。
朝は子どもを保育園に送るので走らない。平日の練習は午後6時過ぎからの1時間が基本。家族と夕食をとり、子どもを寝かしつけた後、必要に応じて21時半から30~40分程度走る。月間走行距離は400~450kmを確保。20km以上の距離走、100分以上のジョグは1年を通じてやらないが、25年春に始めた夜の2部練習の効果でマラソンの終盤も脚が持つようになった。
途中で設定通りに練習をこなせないと感じたら、距離を調整し、ラストを上げて終われる内容に切り替える。例えば2000m+8000m+1000mのメニューで、最初の2000mの序盤できつさを感じたら1500mまで走り、その後は5000mに変更(いずれもタイムは設定通りこなす)。その代わり最後の1000m×1本は必ずペースを上げて終え、失速の印象を残さない。
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