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【マイトレーニング】フルマラソン2時間39分の元実業団ママランナー

2026年4月01日

※本記事は『ランナーズ2026年6月号』掲載内容になります。

24年大阪国際女子マラソンを走る大渕さん(2時間41分27秒)
24年大阪国際女子マラソンを走る大渕さん(2時間41分27秒)

マイトレーニング

18年ぶりに走り始め12km変化走と20km走で今が最速

大渕芽亜里さん(宮城・48歳)

今回は速い女性のトレーニングを紹介する特別編。
昨年のつくばマラソンで2時間39分1秒の自己ベストを更新した大渕芽亜里さん(宮城・48歳)です。

文/吉田誠一 写真/ 塩川真悟


「きつい練習をやりたくないと思わない。メニューをさじ加減できるのが楽しい」

仙台市在住の大渕芽亜里さんが25年つくばマラソンを2時間39分1秒で走り、48歳で自己ベストを更新した。それに先立つ25年東京ニューイヤーハーフの1時間17分3秒も自己最高(記録はいずれもグロス)だった。現在は一部練習が基本。午前4時半に起きてジョグをする。6時頃に戻って朝食の用意と弁当づくり。昼間は子育て、家事に専念し、午後10時に就寝する。
火曜の夜はトラックで3~4組にレベル分けするユナイテッドアスリーツの練習会に参加する。ほぼ男性で30代が多いという。土曜朝は同じく仙台市のランニングチーム、広瀬川RCの練習会でポイント練習を河川敷のタータンのコースでこなす。
大渕さんは定期的に自分の力より一つ上のグループに入り、最後まで設定通りにこなせるか挑戦するようにしているという。「市民ランナーは誰かに『やれ』と言われるわけでなく、自分の判断で、さじ加減ができるのが楽しい。ポイント練習はきついけれど、やりたくないとは感じない。高校や実業団では走りたくないことのほうが多く、不完全燃焼で終わってしまった。記録が伸びているいまが一番楽しい」


実業団に進むも2年弱で退部 18年ぶりに走り始める

中学から陸上競技を始めた大渕さんは聖和学園高校(宮城)の1年時に93年全校高校駅伝出場の機会を得たが、直前の故障で出走を逃した。当時は女子選手の体重管理が厳しい時代。「練習より体重管理のきつさが頭に残っている」という。

三井海上(現三井住友海上)に進むも故障が増え、継続的な練習ができなくなるとチームにいづらくなった。高校時代のベストも更新できず(3000m9分47秒)、2年目の年末に退部してから全く走らなくなった。
05年に結婚し、翌年に長男、09年に長女を出産した。38歳で18年ぶりに走り始めたのは長女の同級生の母親に誘われたのがキッカケだった。「体調管理のために再開してからは4km走るのも必死。ちょっとした坂道でもゼイハアして歩いていた」

知り合いに誘われた仙台国際ハーフの5kmが市民ランナーとしての初レース。「大会に出場するって楽しいな」と感じた。17年神戸で初フルマラソンに挑み、3時間17分10秒で完走した。3時間6分35秒だった20年大阪国際女子で「それまで特に目標を持って走っていなかったが、3時間切りを目指す女性ランナーがたくさんいることに刺激を受けて、サブスリーを目指すようになった」。練習は「月間300km弱で、キロ5分を切る程度の速いジョグとキロ5分30秒の遅いジョグだけ」だったが、練習会に参加するようになり、21年名古屋ウィメンズで2時間55分19秒の初サブスリーを達成。以降つくば、金沢などで優勝した。
 
現在はストレッチはするが、筋トレはしない。「故障していた高校や実業団時代に嫌というほどやったから」と笑う。大会3日前からを除けばビールやウイスキーをたしなむ。かつて体重管理で苦しんだから、いまは体重計に乗らず、時折鏡でチェックするだけだ。体重は高校時代から2、3㎏しか増えていない。「ランニングの何が楽しいの?」と言っていた夫も5年ほど前から大会に出るようになった。
今年の勝田全国は2時間39分30秒、東京は2時間42分11秒だった。「優勝や入賞もうれしいけれど、常に記録を更新し続けたいという思いが強い。年齢を重ねてもまだ記録が伸びているので、挑戦し続けたい」



1週間のメニュー例

月木金 【朝】16kmジョグ(キロ5分10秒~5分20秒)
【夜】12km変化走(2kmをキロ3分30秒、間1kmをキロ4分で4セット)
水日 【朝】12kmジョグ(キロ5分10秒~5分20秒)
【朝】20km走(キロ3分50秒)+往復計10kmジョグ

※春から夏はトラックレースに向けて
1km×10本(キロ3分30秒)、10kmペース走(キロ3分40秒)などを実施


① 月間450~500kmをキープ 朝4時台の16kmジョグが基本

年間を通して30km走をしないが、月間走行距離は重視する。基本的にレストを入れず、月間450~500km走る。ポイント練習のある火曜と土曜日以外は朝4時台からキロ5分10秒~5分20秒のジョギング。16kmがベースで、ポイント練習の翌日は疲労を考慮して12kmに減らすことが多いが、なるべく距離を減らさず走行距離を確保するよう努める。


② 30km以降の失速防止 週1回の12km変化走

火曜日のポイント練習は練習会での12km変化走が軸。2kmをキロ3分30秒で、間1kmをキロ4分で繰り返す。以前はキロ3分30秒で1kmだったが、25年秋から2kmに延びた。キロ4分の1kmがレストに感じない設定がフルマラソンの30km以降のスピード維持に効果的で、11月のつくばの自己ベスト更新につながったと実感している。


③ 距離より質を重視キロ3分50秒の20km走

秋~冬の土曜日は練習会に参加し、距離走を行う。以前はキロ4分の30km走を実施していたが、加齢による故障リスクや疲労蓄積を考慮し、キロ3分50秒前後の20kmに変えた。一度に走る距離を縮めた分、自宅から練習場所までの往復10kmをジョグにした。ほぼマラソンのレースペースで走る20kmの後、脚が重い状態での帰宅ジョグが効く。



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