aerobic exercise
800m×10本のインターバル走(リカバリーは400mジョグを800m1本と同じタイムでつなぐ)
<ヤッソ800の方程式>
フルマラソン●時間▲分=800m●分▲秒×10本
(理論的には、800mを3分で10本走れるランナーは、フルマラソンを3時間で。4分で10本こなせるランナーは、4時間で完走できる)
「ヤッソ800」によって算出されるタイムは、多くの日本人ランナーが行っている1000mのインターバル走の設定に、極めて近いと言える。
もちろん個人差はあり、3分で10本こなせるからといって、絶対にサブスリーで走れるわけではない。LSDや距離走など、普段のトレーニングと組み合わせて行うことが前提。
「ヤッソ800」に取り組むことで鍛えられるのは、1つは呼吸循環器系。つまり最大酸素摂取量の向上。
2つ目が筋肉の代謝能力の改善。高強度のランニングで発生した乳酸を再利用する能力が高まり、乳酸が溜まりにくい筋肉へと改善していく。
普段、レースペースよりもゆっくりとしたトレーニングしかしていないランナーは、これらの能力をなかなか鍛えることができない。逆に言えば、記録の伸び悩んでいたランナーで、ゆっくりと走る練習しかしていない場合、こういったトレーニングを取り入れてみると良い。1週間 10日に1回取り入れるだけで、飛躍的にレベルアップする可能性もある。
またレースペースよりも速いスピードで走るということは、「動き」を改善する効果もある。市民ランナーのフォームを見ると、ピッチが狭くなり、スピードの出にくいフォームで走っている人が数多く見受けられる。「ヤッソ800」のように、レースペースよりも800mで20 40秒くらい速いスピードで、大きな動きを意識して行う。
ただし全ての人に「ヤッソ800」の公式があてはまるかというと、そうでもない。
仮にフルマラソンベストが2時間20分のランナーだと、「ヤッソ800」のタイム=800m2分20秒は、1km換算で2分55秒ペースということになる。
このタイムで10本こなせる選手は相当力のあるランナーである。
一方で、フルマラソンのタイムが6時間かかる人でも、800mを6分で走るとかなり物足りなく感じる。2時間20分でも、6時間でも、フルマラソンの平均ペースに対する「ヤッソ800」のスピードの割合は同じだが、LT値の高いトップ選手ほど、負担は大きくなっていく。
目安として、「ヤッソ800」が有効なのは、3時間30分より上のレベルのランナーと言える。
400mのトラックが使えればベストだが、導入しやすさを考えれば、距離を1kmに延ばして行っても良い。ただし、200m距離が延びるときつさも増すので、本数を5 6本くらいにしたり、リカバリーを長めにとるなどして、負荷を調整していく。
マラソン | ヤッソ800 | → | 1km |
---|---|---|---|
3時間00分 | 3分00秒 | → | 3分45秒 |
3時間15分 | 3分15秒 | → | 4分04秒 |
3時間30分 | 3分30秒 | → | 4分23秒 |
3時間45分 | 3分45秒 | → | 4分41秒 |
4時間00分 | 4分00秒 | → | 5分00秒 |
4時間15分 | 4分15秒 | → | 5分19秒 |
4時間30分 | 4分30秒 | → | 5分37秒 |
4時間45分 | 4分45秒 | → | 5分56秒 |
5時間00分 | 5分00秒 | → | 6分15秒 |