田中 | 今、長谷部さんの走るフォームを見せていただきましたが、腰とお尻が落ちて、背中が後傾気味です。そんな自覚のようなものはありますか。 |
長谷部 | いえ。年々スピードが落ちてきているので、年齢のせいかな、と思っていまして、フォームはこれでいいかと……。 |
田中 | このように後傾気味になると、かかとが地面にベタリと着いて、ブレーキをかけてしまう走りになってしまいます。また、足首のブレも大きくなり、いろいろな部位の故障に繋がります。今、どこか悪いところはありますか。 |
長谷部 | 若い頃に足首の靭帯を切ったことがあり、アキレス腱の炎症が起きやすいので、インソールを使っています。 |
田中 | それなら、なおのことフォームが大事です。今日は、すごく簡単に長谷部さんのフォームを修正します。ちょっと、かかとを上げてください。 |
長谷部 | (つま先で立つようにして、かかとを上げる) |
田中 | 木の枝をかかとと地面の間に挟みます。はい、いいですよ。これだけで重心が変わるのが分かりますか。 |
長谷部 | はい、わかります。かかとが上がって重心が前になっていると思います。 |
田中 | 今の重心が理想の位置です。では、この姿勢のままスタートして、1㎞走を繰り返してみましょう。 |
長谷部 | なんだかスピードが出てきました! |
田中 | その調子です。長谷部さんのこれまでの走り方は、歩幅が狭く、ベタベタという感じでカッコ良くありませんでした。重心を前にして、「少しでも前に進みたい!」という雰囲気にしてみましょう。 |
長谷部 | 気弱になっていた気持ちが出てしまったようなフォームだったのですね。 |
田中 | そうですね。自然にストライドを広くしていけたら、かかとが大きな円を描くイメージを持って走ってみましょう。これだけでも、ずいぶんとフォームが良くなります。 |
長谷部 | (15分ほど走り)久しぶりに、本当に久しぶりに、キロ5分を切れました(4分57秒)。いや~、嬉しい!!スピードのなさを年齢のせいにしていました。サブフォー、諦めないで目指していきます。 |